2カ月半後に迫った参院選の勝利に向けて日本共産党東京都委員会は4月10日、志位和夫委員長を迎え、東京国際フーラム(千代田区)で「オンライン東京演説会」を開きました。志位委員長は、参院選について「戦争か平和かを問われる歴史的な政治戦。危機に乗じて憲法を改定し、日本を軍事対軍事の危険な道に引き込む動きに日本共産党の躍進でストップを」と訴え。比例代表の田村智子、東京選挙区の山添拓両参院議員が平和と憲法9条を守り抜く熱い決意を語り、選挙勝利への思いを共有しました。
日本共産党は参院選の比例代表選挙は全国で650万、東京で100万の得票で、現有4議席から田村智子予定候補の3選を含む5人全員、東京選挙区(改選数6)で山添拓予定候補の再選を目指します。
会場はステージと最前列の客席との間を10㍍空けるなどの感染対策が取られ、演壇の両側には大型液晶モニターを配置。このリアル会場には約500人が参加し、都内4500カ所に設けられたインターネット視聴会場を含めて、合計で1万4000人ほどが参加しました。
大きな拍手の中、スポットライトに照らされて登壇した山添氏は、初当選以来の議員活動を振り返り「野党共闘で政治を変える挑戦の6年。憲法を壊す政治を許さないたたかいが、日本の政治の新しいページを開いてきた」と強調。「法廷ドラマのようだ」との評判を呼ぶ国会論戦について、「当事者の現場の実態、事実と道理に基づく質問だからこそ決して負けない、その気持ちで論戦に挑んでいます」と、論戦の心構えを紹介。「憲法を生かし希望ある日本に力を合わせて頑張る」と力を込めました。
田村氏は候補者時代から幾度となく奮い立たせてくれた先輩議員の熱情あふれる追及や、国会議員団に加わることで市民との共同を広げ、大きな力をみなぎらせた後輩議員の活躍を紹介。「比例代表は私を含め5人がチームとなって挑む選挙。東京選挙区の山添拓さんを含め、誰一人欠けることなく議席を得てこそ日本共産党国会議員団は論戦にも活動にもさらに磨きをかけることができる」と強調しました(別項に要旨)。
志位委員長が訴え
志位委員長は、ウクライナを侵略したロシアのプーチン政権について、①国連憲章違反の侵略②国際人道法に反する戦争犯罪③核兵器による威嚇―の3つの無法を指摘。ロシアの侵略を止めるために「何より重要なのは国際世論」だとのべ、「ロシアは侵略をやめよ、国連憲章を守れの一点で声をあげ、力を合わせることが侵略を止める一番の力になる」と強調。「国際世論の力で侵略を止め、侵略者に責任を取らせ、国連憲章に基づく平和秩序を回復するという決着をつけるために、最後までいっしょに力を尽くそう」と呼びかけました。
志位委員長は岸田政権について、「この半年間で安倍・菅政権の継続だということがはっきりした」だけでなく、「2人の前任者ができなかった憲法9条改悪の旗振りを前のめりで進めている点で、より危険な姿が出てきた」と指摘しました。
山添拓氏
憲法生かし希望ある日本に
6年前に立候補したのは、憲法の危機に黙っていてよいのかという強い思いからです。憲法を壊す政治を許さないたたかいが、日本の政治の新しいページを開いてきました。今度また、平和と憲法9条がかかった選挙を迎えます。ウクライナ侵略をどう止めるのか、自衛隊の日米同盟の強化に走る政治で良いのか、そのために憲法まで変えさせて良いのか、正面から問われる選挙です。
平和のために何か形にしたいという人々の意思があふれていると感じます。その一方、憲法9条は時代遅れだ、緊急事態条項が必要だと危機に乗じて改憲論議が加速されようとしている。予算委員会で敵基地攻撃能力の保有を検討する、岸田政権をただしました。岸田首相は私の質問に対して、武力行使を禁止する国連憲章と日本の憲法9条は軌を一にするものだと答えました。ならば世界中で「国連憲章を守れ」の声が広がる時に、憲法9条を軌を一にして守れというべきではないでしょうか。
この6年間、世論と結んだ論戦で政治を動かしたいと国会に臨んできました。コロナ禍で非正規労働者、女性、学生、中小事業者、文化芸術関係者など、自粛と補償はセットだと声を上げ、国会論戦を通じて支援策を前に動かしてきました。
男女の生涯1億円に及ぶ賃金格差は異常であるにも関わらず、格差の実態を公表する仕組みすらない、政治が動くべきだという声を繰り返しぶつけて、岸田首相も開示ルールの見直しを表明するに至りました。検察庁法改定案、入管法改定案は、悪法を押し通すなという声がSNSで広がり、国会論戦を重ねてついに廃案へと追い込みました。
現場の実態、事実と道理に基づく質問だからこそ決して負けない、その気持ちで論戦に挑んでいます。世論と国会論戦との結びつきは、6年前と比べても一気に広がり変化をしています。この仕事を引き続き担わせてください。憲法を生かし希望ある日本に力を合わせて頑張る決意です。
田村智子氏
人生かけて核廃絶実現する
2010年に国会に送り出していただき、命を守る政治、働くこと生きることを応援する政治にと、一心不乱に取り組んできました。
初めてのテレビ中継が入った予算委員会は、2011年3月のことでした。日産自動車で予定されていた雇い止め問題を取り上げました。対象はすべて女性だった。女性は非正規で当たり前、この問題をずっと国会で取り上げ続けたいという思いで臨んだ質問でもありました。人を大切にする政治をという思いは、国会議員としての原点でもあります。
今度の選挙は私にとって、日本共産党員としての初心に関わる選挙となってきました。高校の修学旅行で広島の原爆資料館を訪ね、がれきと溶け合ってしまった人の骨の前で動けなくなりました。これほどむごいことが起き、今も被爆者の方々が苦しんでいる。なのに核兵器が増え続けている。人類の未来に10代の私は、絶望していました。
その時、核兵器は廃絶できると日本共産党が国内外で運動に取り組んでいることを知り、目の前が開ける思いで反核平和の運動に足を踏み出しました。1980年代半ばから私たちが被爆者のみなさん、幅広い市民のみなさんとともに呼びかけた核兵器全面禁止・廃絶の国際条約は、21世紀の今日、核兵器禁止条約として実を結び、国際社会の希望となっています。
その時にロシアの核の脅しに対して、日本政府はなぜ核兵器をなくせと言わないのか。核共有などという議論がなぜ国会で行われるのか、核抑止力にしがみつき、核共有をあおる勢力を今度の参議院選挙で、何としても包囲しなければなりません。
私は人生をかけて核兵器廃絶を実現させていきます。憲法9条の力を生かした希望ある政治を全力で求めていきます。
一分
「なぜ論戦に強いのか。一つは徹底的に勉強して、相手より詳しくなるから。もう一つ、もっと大切なのは、常に現場の声に心を寄せ、国民の声を代弁してきた。そこで一歩もゆずらないことに、強さの根源があります」▼参院選での躍進へ、10日に開かれた日本共産党演説会。志位和夫同党委員長が、東京選挙区の山添拓参院議員について語った言葉です▼志位氏は参院選を「戦争か平和かが問われる歴史的な選挙」と語りました。ロシアのウクライナ侵略に乗じて、日本国内では憲法9条の改定を求めたり、相手国の領土を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」の検討など、「戦争をする国」づくりへの策動も強まっています▼山添氏は6年前、初めて参院選に立候補した理由を「(安保法制の強行など)憲法の危機に、黙っていていいのかという強い思い」と振り返り、「今回も平和と憲法9条がかかった選挙」と決意を語りました▼田村智子参院議員は、初当選時、にひそうへいさんら先輩議員の質問に心を奮い立たされたことなど、5人の比例代表候補の魅力を紹介し、訴えました。「比例代表5人のチームと、東京選挙区の山添さん、誰一人欠けることなく議席を得てこそ、国会議員団の論戦にも活動にも磨きをかけることができます」