日本共産党東京都議団は26日、都庁で記者会見し、約1000本の樹木を伐採するなどで批判が起きている神宮外苑の再開発について、情報公開請求を行った結果、歴史的景観や都民スポーツ施設より、超高層ビル建設を優先する計画に変更された経過が明らかになったと告発しました。
原田あきら都議は、3月28日に開示された資料で、2012年に都が森喜朗元首相へ説明した「再整備のイメージ」では、現在の状態から野球場とラグビー場の場所が入れ替わる一方、サブトラックが存在し、超高層ビルをつくる計画はなかったと指摘。野球場の位置も、イチョウ並木からは離れた位置にあったと説明しました。
14年の計画図では、野球場の隣の、のちに超高層ビルが計画される場所に「事務所ビル等」が設置され、野球場が大きくイチョウ並木に近寄り、サブトラックが消失します。この計画では、スポーツ関連施設が設置されていましたが、現行計画では、高層ビルと広場に変わっています。
都議団は、神宮外苑再開発が「スポーツ拠点整備」とは名ばかりで、都が主導し森氏が深く関与して、事業者の三井不動産や明治神宮に利益をもたらす方向に変更されてきたと指摘。「結果として、樹木の伐採、歴史的景観の破壊など大きな矛盾に直面していることが明らかになった」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2022年4月28日付より)