ジェンダー格差の構造突く論戦 幅広く訴え共有し 変えていこう
一人ひとりが大切にされ、自分らしく生きられる社会―ジェンダー平等を求める声の高まりは、ジェンダー不平等から生じる諸問題を可視化させ、運動と論戦で前進させてきました。日本共産党の田村智子政策委員長・参院比例候補と山添拓参院議員・東京選挙区候補は23日、党都委員会の対談企画で国会質問の映像を流しながら論戦の到達を振り返り、党躍進でさらに動かそうと語り合いました。
コロナ危機でひずみが拡大
コロナ禍で女性の自殺者、DV、性暴力の相談件数が増加しました。内閣府男女共同参画局は2020年11月、女性の非正規雇用労働者の減少が大きいとのデータを発表。ジェンダー不平等のひずみは女性に、より悪影響を及ぼしています。
国連女性機関は20年3月、コロナ問題にジェンダーの視点を貫くことを提言。コロナ禍でのジェンダー格差をどう取り上げるか模索していたという田村さんの質問は、21年3月の参院予算委員会で結実しました。
田村 長年モヤモヤ抱いてきた問題意識がまとまった形で質問できた。(女性が多い)銀行や病院などの窓口業務の丸ごと非正規化や、看護師、介護士、保育士の低賃金の構造。複合的なジェンダーの賃金差別の構造がつくられた。それを問題にできたのは、コロナ危機のなかでジェンダー平等を求める声が上がってきた一つの到達だと感じる。
山添 構造的問題は、女性の低賃金をもたらすと同時に、男性の超長時間労働の温床にもなっている。人間らしく働けるルールに変えるのが大事。
鋭い切り返しネットで拡散
ジェンダー平等の土台ともいえる賃金格差の問題。21年12月の山添さんの参院予算委員会での質問に後藤茂之厚生労働相が、役職別・勤続年数別の給与で「男性を100とした場合、女性は80を超える」と答弁し、すかさず山添さんが「すごく高いような言い方をされるが、2割ぐらい(女性が)低いということ」と鋭く切り返した場面はネットでも拡散されました。
田村 厚労相の答弁で許せないのは、長く働く(勤続年数10年以上)と男性の7割台に下がると。今まで政府は“女性の勤続年数が短いから男性より賃金が低い”といってきたが、働き続けた方が賃金格差が広がる。なぜかと企業側に説明させ、労働行政で正さなければならない。
山添 かつては結婚退職制など明らかな女性差別があったが、今はコース別雇用管理になり、格差が見えにくくされている。
党が長年取り組んできた男女賃金格差の問題は、1月に岸田首相が「開示ルールのあり方を検討する」と答弁。1999年に削除された有価証券報告書の開示項目として記載を復活させる、一歩前進の成果となりました。
ジェンダー平等を進めるとどんな社会になるか―。田村さんは「一人ひとりの個性や自分らしさを生かせるようになったとき、日本の経済や社会がどう発展するか考えるとワクワクする」と意気込みを語り、山添さんも「ジェンダー問題に光を当てれば一気に共有され、動かすエネルギーになる。参院選でもさらに幅広く訴えたい」と締めくくりました。
(「しんぶん赤旗」2022年4月29日付より)