文科相「顧問強要だめ」
教師の多忙化の要因となっている部活動顧問のあり方についてただした日本共産党の吉良よし子議員の国会質問(4月21日、参院文教科学委員会)が大きな反響を呼んでいます。質問を短くまとめた動画は30日現在、6万3千回以上再生され、現場の教師から「勇気づけられた」「教師の悩みを代弁してくれた」など多くの感想が寄せられています。
部活動顧問について文科省は「必ずしも教師が担う必要のない業務」としています。しかし実際には、家庭の事情を伝えても断れず、断ったことで管理職からパワハラに遭うといった事態が横行しています。
吉良氏は国会で、教師からの聞き取りをもとに「必ずしも担う必要のない部活動の顧問をむりやり押し付けるようなことはやめるべきだし、ましてや顧問を断ったことを理由にしたパワハラはあってはならない」と主張。末松信介文科相は「顧問の決定にあたってパワハラをすることはあってはならないし、絶対に許せないこと」と述べました。
吉良氏は、2018年のスポーツ庁や文化庁のガイドラインで1週間の部活動の上限が660分とされたのに、新型コロナウイルスの影響で部活動が縮小した21年でも基準以内に収まった都道府県が男子で2割、女子で3割にとどまっていると指摘。特に大会やコンクール前に部活動の時間が長くなる傾向があることを示し、勝利至上主義に偏った部活動のあり方とともに、大会やコンクールの縮小・廃止を検討すべきだと訴えました。
末松氏は、大会やコンクールが練習の過熱化を招き、勝利至上主義による行き過ぎた指導の一因となっていることを認め「ご意見も踏まえてしっかりと対応していきたい」と表明しました。
吉良氏に対する末松氏の答弁に、現場の教師からは「通達にして教育委員会や学校に伝えてほしい」「通達を1秒でも早く全国の学校に」など、部活動の押し付け是正を求める声が上がっています。
(「しんぶん赤旗」2022年5月1日付より)