性別変更請求の書式規定 実情に即し改めよ

当事者・山添氏が厚労省要請

性同一性障害(GID)で性別変更手術を受けたものの、裁判所に性別変更請求を受理されなかった当事者1人が4月26日、国会内で、定められた書式以外の診断書でも受理する仕組みに改めるよう厚生労働省に要請しました。日本共産党の山添拓参院議員が同席しました。

性同一性障害特例法は、性別変更にあたって、厚労省令で定める書式による医師の診断書を裁判所に提出するよう求めています。

今回要請したGID当事者が性別変更手術を受けたのは約20年前で、カルテの保存期間は過ぎていましたが、医師が偶然保存していた手書きのカルテとともに、当時の医療機関が日本精神神経学会のガイドラインに沿って治療したことを証明する記録なども添付資料として性別変更を請求したものの、家庭裁判所は、厚労省が公開している参考書式通りの診断書ではないとして受理しませんでした。

当事者は「性別変更手術を受けても、法律上の性別変更の手続きを行う決心をするには時間がかかる」「家庭環境や生活歴を尋ねられるのが苦痛との声もある」「診断書の作成に高額の費用を請求されるケースもある」と発言。厚労省の担当者は、「参考書式通りの診断書がなければ請求できないわけではない」と述べました。

山添氏は「厚労省が参考書式通りでなくてよいと言っても、裁判所では受理されない運用が起きている。心身の苦痛を伴い性別変更手術を受けた人が性別変更請求をためらう事態を招かないよう、ホームページなどで周知するとともに、省令の見直しも進めるべきだ」と求めました。

(「しんぶん赤旗」2022年5月11日付より)

タイトルとURLをコピーしました