憲法施行から75年を迎えた3日、江東区の有明防災公園で、大規模な集会としては3年ぶりとなる「改憲発議許さない!守ろう平和といのちとくらし憲法大集会」が開かれました。晴天の中、1万5千人(主催者発表)が集まり、「ウクライナ危機に乗じた改憲の動きを許すな」と声を上げました。
主催した5・3憲法集会の藤本泰成さん(平和フォーラム共同代表)は「ロシアの侵略には、何の道理もない。世界が一致して、ウクライナから直ちに撤退し、日常を回復するよう求める時だ」と強調。危機に乗じて、「敵基地攻撃能力の保有」や「核共有」の議論が出ていることを批判し、「今、必要なのは憲法9条にもとづく平和外交だ。日本国憲法の意義を問い直していこう」と呼びかけました。
立憲民主党、日本共産党、社民党の各党代表がスピーチしました。志位和夫共産党委員長は、ロシアの侵略をめぐり「いま大切なことは、あれこれの『価値観』で世界を二分することではなく、『国連憲章を守れ』の一点で、国際世論が団結すること」と提起しました。
自民党が敵基地攻撃能力の保有検討などの議論を進めていることに、「この道を進めば、とてつもない大軍拡が必要になる。消費税の大増税か、社会保障の大削減になるのは、火を見るよりも明らかだ」と告発。「日本を『軍事対軍事』の危険な道に引き込み、国民の暮らしを押しつぶす。こんな道はみんなで力を合わせて止めよう。日本がやるべきは、9条を生かして東アジアを戦争の心配のない平和な地域にする仕事だ」と強調しました。
立憲民主党の奥野総一郎国対委員長代理は、「ウクライナ危機に乗じた改憲の動きは許されない。憲法9条こそ日本を守ることを正面から訴えていきたい。参院選で改憲勢力に3分の2を割らせるよう、野党で共同してたたかっていく」とあいさつしました。
社民党の福島瑞穂党首は「政治の役割は、戦争をしないために、外交を含めて頑張ることだ」と呼びかけました。れいわ新選組の櫛渕万里衆院議員の秘書が紹介されました。
施行75年で最大の危機
各分野の市民がスピーチしました。
大江京子弁護士は、憲法審査会について報告し、「施行から75年の記念の年に、憲法は最大の危機を迎えている。今こそ、私たちは憲法を与えられたものではなく、自らのものとしてつかみなおすことが求められる」と呼びかけました。
ライターの小川たまかさんは、女性差別、女性蔑視の現状を自身の体験を交えて紹介し、「女性たちの声を響かせよう。それが憲法14条の法の下の平等の理念を守ること」と提起しました。
ジャーナリストの竹信三恵子さんは「憲法9条は不戦の誓いであると同時に、国のお金を軍事ではなく、社会保障など私たちの生活のために使う構造をつくってきた。私たちの明日を守るために、9条をなくしてはならない」と訴えました。