参院法務委
日本共産党の山添拓議員は2日の参院法務委員会で、刑法改定案の侮辱罪厳罰化について、政府が現行犯逮捕を「慎重な運用」「(逮捕は)想定されない」などとしていることに対し、「恣意(しい)的な運用について問題意識すらなく、全く説得力はない」と批判しました。
山添氏は、北海道警やじ排除事件をとりあげ、「安倍やめろ」「増税反対」などと声をあげた市民2人を道警が排除したのは「主催者からの要請か」と質問。警察庁の森元良幸審議官は、要請はなかったと否定しました。
山添氏は2人は言葉を発して10秒程度で排除されたとし、「道警の勝手な判断で行われた」と指摘。「現場の警察官の対応は適切と言えるのか」と迫りました。二之湯智国家公安委員長は「現場の警察官が職務執行法に基づき、必要と判断した結果だ」と強弁しました。
山添氏は、やじ排除訴訟の証人尋問で現場の警察官が「有形力行使の法律要件」「やじは憲法上保障される」などへの認識を問われても「個別の法解釈については回答できない」と述べたと示し、「現場では適切に法令に基づいて対処したというのは答えになっていない」と批判しました。
その上で、排除の法的根拠について現場で説明は行われなかったとして「実際には排除ありきの対応だった」と強調。今後も全国の警察官が同様に対応することになりかねないと指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月3日付より)