「桜」めぐる新たな疑惑 国会質疑 山添氏パネル掲出 自民拒否

説明責任に背を向ける首相

地検記録を基に

「桜を見る会」をめぐる新たに浮かび上がった疑惑を国会で追及するため、3日の参院予算委員会で日本共産党の山添拓議員が用意したパネルの掲出を自民党が拒否するという事態が起きました。

山添氏がとりあげたのは「しんぶん赤旗」日曜版がスクープした「桜を見る会」前夜祭にサントリーが大量の酒を無償提供し、安倍晋三首相(当時)が有権者にふるまっていた問題。パネルは、東京地検が開示した刑事確定記録をもとに山添事務所が作成した、前夜祭の会計とサントリーによる、大量の酒の無償提供の一覧表です。

予算委員会前の理事会で、山添氏が一覧表をパネルで提示すると伝えた際、自民党の理事が「同意できない」と拒否。なぜかと聞くと、「数字が事実か確証が持てない」「事実であるかのように受け取られる」と主張したといいます。資料は地裁が開示した公的記録に基づくもので、パネルを拒否する結論ありきの言いがかりにほかなりません。委員会開始後も協議が続きましたが、自民党は「国対の判断だ」として応じませんでした。

秘書の供述調書

また、秘書の供述調書(2020年12月12日付)で、会費不足分を安倍氏や事務所、関係政治団体が負担すれば「公選法違反の寄付にあたることはわかっていた」として、「だから前夜祭の会場で、ホテルで提供される飲食の代金を抑えるために(酒を)持ち込んだ」と述べた内容をパネルで示すことも拒否されました。

一方、岸田文雄首相は予算委での山添氏の追及に「個別の案件だ。答えは控える」「関係者が説明する」と繰り返し、国民に対する説明責任を自ら果たそうとしない姿勢をあらわにしました。山添氏は予算委後、パネル拒否のてん末を説明する動画をツイッターに掲載し「この事実関係を解明したくない。隠したいと考えているようです。政治をゆがめる、行政をゆがめる、そして有権者を買収する。こういう事態をやっぱり許してはならないと思います」と訴えます。

(「しんぶん赤旗」2022年6月5日付より)

タイトルとURLをコピーしました