懲罰背景の作業・指導強制 「人間性の否定」と批判

参院法務委で山添拓議員

質問する山添拓議員=10日、参院法務委

侮辱罪厳罰化と禁錮・懲役を廃止し、「拘禁刑」創設を盛り込んだ刑法改定案が10日、参院法務委員会で自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの賛成で可決されました。日本共産党と立憲民主党などは反対しました。日本共産党は、侮辱罪厳罰化を行わず、「拘禁刑」の刑務作業・改善指導を義務付けせず、自由のはく奪のみとする修正案を提出しましたが否決されました。

山添氏は討論で、侮辱罪による現行犯逮捕について政府は「慎重な運用」との見解を示しているが、「逮捕の判断は現場の捜査官次第で、担保とならない」と指摘。「起訴されなくても自由な言論・表現への重大な脅威となり、萎縮効果が生じる」と述べ、侮辱罪の厳罰化に反対しました。

質疑で山添氏は、古川禎久法相が作業・指導の義務がなければ、「再犯防止などの働きかけが不可能になる」と答弁したと指摘。現場の職員は、懲罰を背景としない動機付けの面接などカウンセリングによる働きかけをしてきたとして「義務付けなければ改善更生を図れなかった事例はあるのか」と迫りました。

古川法相は「いまここで答えることはできない」と答弁。山添氏は「義務付けなければ働きかけできない立法事実はない」と批判しました。

その上で山添氏は、懲罰を背景に強制するべきではないとして、「思想改造と言えば大げさに聞こえるが、行き過ぎれば危険な事態を招く。現に日本の刑事施設では、戦前も戦後も受刑者の人間性を否定した歴史がある」と指摘しました。

(「しんぶん赤旗」2022年6月11日付より)

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