東京都足立区の市民らでつくる「『九条の碑』を建立する会」は19日、同区内に完成した「九条の碑」の除幕式と完成のつどいを開きました。九条の会事務局長で東京大学名誉教授の小森陽一氏と九条の会世話人で国際ジャーナリストの伊藤千尋氏らがあいさつしました。
「九条の碑」の建立は東京では初めてで、伊藤氏によると国内では少なくとも24番目。設置場所は、医療法人財団健和会・柳原リハビリテーション病院(東京民医連加盟)の隣接地です。
トランペット演奏に続いて幕が外されると、直径1メートルのステンレス製の球体が姿を見せました。「9条」と「球状」とを掛けています。
球面に憲法9条の条文(1・2項)が、ピンク色の字体で、らせん状に刻まれています。見る人の姿がステンレスに映り込み、条文と一体になるイメージです。
小森氏はロシアのウクライナ侵略に触れ「ロシアの東側の隣国は日本。その日本が憲法9条で、国際問題をどう解決していくかが大事だ」と述べました。
つどいでは伊藤氏が「軍事力で国を守るとは国境線の内側は守るが、外側は殺してもいいということ。この発想では戦争はなくならない。最初から戦争をしない社会や世界をつくりましょう」と強調。地元の人たちが完成を喜び、声楽家、フラメンコギター奏者らが演奏を披露しました。
地元代表の小林弘子さんは日本国憲法前文を暗唱。アフリカ沖のスペイン領カナリア諸島に9条の碑を見に行った体験から「世界の人たちが『日本に続け』と平和を発信しようとしている。自信をもって憲法9条を地元・柳原から日本中、世界中に、広げていきましょう」とあいさつしました。
「建立する会」は「東京に碑がないなら千住につくろう」と20年に結成され、全国800近い団体・個人から支援がありました。この日は、吉田万三元区長や日本共産党の斉藤まりこ都議、浅子けい子区議が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月20日付より)