19日投票の東京都杉並区長選が20日開票され、「住民思いの杉並区長をつくる会」の岸本聡子氏(47)=無所属新、日本共産党・立憲民主党・社民党・れいわ新選組・生活者ネット・緑の党・新社会党推薦=が7万6743票(得票率44・41%)を獲得し、自民党・公明党議員らに推された現職の田中良氏(61)を187票差で破り初当選しました。
同区長選勝利は参院選公示目前という中で、自公政治への怒りと野党共闘の力を示しました。
投票率は前回比5・50ポイント上がりました。20日午後0時半ごろ、岸本氏当選の知らせが事務所に届くと、集まっていた区民から「やったー」「おめでとう」との声や「聡子コール」が起こりました。
岸本氏は「『自分の選挙』という支援の輪が多くの人に共有されたことが勝利につながった」と振り返りました。現区政の児童館・高齢者施設の廃止計画に触れ、「これは一部の人の問題ではなく、区民の公共財として守り発展させたい」と強調。公共サービス縮小や民営・民間委託化を、サービスの質や働く人を守る視点から検証すると表明しました。
事務所に駆け付けた女性(51)は「みんなの街はみんなでつくろうと、市民一人ひとりが動き、支援の輪が広がった。みんなの勝利だ」と話していました。
同時実施の区議補選(定数1)では日本共産党の増田さちえ氏(52)=新=が、及ばなかったものの2万5181票を獲得し2位となり、当選した自民党候補に約1700票差に迫りました。
開票結果は次の通りです。
当 岸本 聡子 47 無新 76743
田中 良 61 無現 76556
田中裕太郎 46 無新 19487
(投票率37.52%)
力合わせたたかい勝利 小池書記局長が会見
日本共産党の小池晃書記局長は20日、国会内で記者会見し、東京都杉並区長選で新人の岸本聡子氏が当選した結果について問われ、「日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組、社民党、新社会党、緑の党、生活者ネットが力を合わせてたたかい、187票という僅差の勝利だが、現職の区長を下した意味は極めて大きい」と表明しました。
小池氏は「私も現地に応援に行ったが、岸本さんはすばらしい候補者だ。公共政策の研究者として、世界の公共政策、とくにイギリスなどでの行き過ぎた民営化を見直し、パブリック=公共を取り戻すということが世界の流れになってきていることを具体的にわかりやすく語り、それを杉並の区政に当てはめて政策を語った。これがやはり大きな勝因になったのではないか」と強調しました。
さらに、同時に行われた同区議補選(定数1)で、日本共産党の増田さちえ候補が、当選した自民党候補に肉薄する得票で第2位となったことにも言及し、「引き続く参院選での勝利に向けて、引き続き全力をつくしたい」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2022年6月21日付より)