憲法生かす宝の議席
「『憲法が、希望。』と訴えてきた。憲法を守り生かせという皆さんの思いが詰まった議席だ」―。当確の報を受け、日本共産党の山添拓・参院東京選挙区候補は、こう自身の訴えと党の政策への共感の広がりに対する確信を述べました。
無党派でトップ
山添氏は68万5224票を獲得し3位。NHKの出口調査では無党派層の支持が10%を大きく超え、候補者でトップとなり、全体の得票でトップの自治体もありました。
市民勝手連「YAMA部」の舩尾遼氏は、「デモや街頭対話などに積極的に参加して、相手の話をじっくり聞く姿がとても印象的。その蓄積があるから幅広く疑問や不安にかみ合う訴えができるのでは」と指摘。9日の新宿駅前で、山添氏にロシアの侵略をどうやめさせるのかについて質問した無党派の会社員は「こんなに丁寧に説明を受けたことはなかった」と話します。
山添氏は、「軍事対軍事」の軍事的対応一辺倒を批判し、党の「憲法9条を生かした平和外交ビジョン」で希望を広げました。大学1年生の女性は、山添氏の「軍拡では平和はつくれない。歴史も経済発展も異なる他国との外交には知恵と忍耐が必要」だとの話に、「これが『対話』で平和を実現する方法なんだ、軍拡も9条改憲も暴力も反対をあきらめなくていいと思った」と言います。
また、山添氏の消費税減税、最低賃金1500円など、大企業・大金持ち優遇の政治から暮らしを守る政治に転換するとの訴えも浸透しました。
立川市で演説を聞いた手取り20万円未満という正社員女性は「大企業の内部留保の多さに驚き、自分の貧しさの原因が分かった。暮らしを変えられると思えた」と指摘。「学費半額とバイトの賃金引き上げを実現して」(大学1年男性)、「性暴力の根絶、女性の低賃金の解消を実現してほしい」(派遣社員女性)など、暮らしに直結して山添氏への支持が広がりました。
質疑動画が拡散
「当落線上から押し上げよう」と共産党の支部・後援会は、宣伝・支持拡大に全力を尽くしました。
また、ツイッターやティックトックなどSNSで山添氏の人柄や国会質疑の動画が拡散されると、無党派の支持をはじめ支援促進の力になりました。
山添事務所が募集した選挙ボランティアの参加者は6月24日~7月9日で延べ745人。「YAMA部」の会社員女性は、検察庁法改定案や人工妊娠中絶の配偶者同意要件の廃止の追及など国会質疑の動画を見て「弱い立場の側で政治を動かせる人。『当落線上』と聞いて少しでも力になりたかった」と話します。
改憲に前向きな自民、公明、維新、国民民主の4党の議席が、改憲の国会発議に必要な3分の2を上回り、岸田文雄首相は「改憲発議案に集中」と言及。この動きに対し、山添氏を応援する「若手弁護士有志の会」の平井康太氏は「山添さんの当選こそ希望」だと強調します。「山添さんが憲法審査会でたたかうことができる。山添さんとともに、私たちの平和と暮らしに憲法を生かす取り組みを強めたい」
(「しんぶん赤旗」2022年7月12日付より)