米軍横田基地 新施設続々

対中軍事強化へ 市民から批判

在日米軍横田基地(福生市など東京都多摩地域)で、新たな施設建設が相次いでいます。空軍特殊作戦機CV22オスプレイや大型輸送機の駐機場など、対中国などの軍事作戦を担う施設で、住民・平和団体から「横田基地を米軍が日本国外で行う戦争の一大拠点基地として強化するもので許されない」と批判の声を上げています。(佐藤つよし)

 


駐機場などCV22オスプレイの施設の建設予定地=在日米軍横田基地

基地東南部では、約2万3500平方メートルの駐機場を昨年6月から空軍工兵部隊が4年計画で建設中です。駐機能力を33%増強し、新たにC17輸送機4機とC130輸送機5機の駐機スペースを確保するものです。

基地西南部ではジェット燃料の受領・分配施設の拡張。米軍鶴見貯油施設(横浜市)に降ろされ鉄道で横田基地に輸送されていた燃料に加えて、日本国内の企業からの調達も含め、トラック輸送された燃料も受け入れ可能になります。

輸送能力を強化

新たな駐機場に隣接した大型燃料タンクの建設や、基地内2カ所目の滑走路修復資材備蓄施設の建設業者の募集も始まっています。

第374空輸航空団司令部の建物に、戦時作戦や緊急事態などで指揮・統制を行う危機行動チームのための大型ディスプレイやビデオ遠隔会議システムの設置など、司令部機能の強化も図っています。

横田基地の強化は、米空軍が戦闘部隊と支援部隊・物資を前線の基地・飛行場に緊急展開させる迅速戦闘運用(ACE)の態勢づくりです。

6月初めには、岩国基地(山口県)や嘉手納基地(沖縄県)にACE訓練のため、ハワイのF22A、アラスカのF35A合わせて30機の最新鋭ステルス戦闘機が飛来しました。

F35A戦闘機は、6月6~17日にグアム周辺で行われた米軍の大規模演習「バリアント・シールド22」で、岩国基地からパラオ国際空港に進出。今月5日には韓国にも展開し、10日間にわたり韓国空軍との合同訓練を実施しました。

やりたい放題に

横田基地の監視活動を続ける羽村平和委員会によると6月以降、米本土からの空軍大型空中給油機の飛来が急増し、15州と嘉手納基地(沖縄県)から34機(11日現在)にのぼります。空中給油機が、横田基地で給油。在日米軍基地を離陸した米軍戦闘機が、空中給油を受けてグアムに向かっています。

横田基地の撤去を求める西多摩の会の寉田(つるた)一忠事務局長は「横田基地が本格的な戦争推進基地へと急変しています。『整理・縮小・返還』という住民や自治体の願いとは真逆の事態が進行しています。戦争準備に向かって、米軍のやりたい放題とそれを許す日本政府に強い怒りをもって抗議します」と話しています。

 

(「しんぶん赤旗」2022年7月13日付より)

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