声を聞くことに最大の努力
東京都杉並区の岸本聡子区長が11日に行った就任記者会見の発言(要旨)を紹介します。
区民の声を区政に生かしてほしいと多くの人に支援され当選しました。杉並区57万人の命と暮らしを守る、区民のための区政を行いたい。私に投票しなかった区民をはじめ幅広い区民の声や思いを聞くことに最大の努力をします。
物価高による生活への打撃、猛暑、新型コロナ感染者急増の中、暮らしや健康への懸念を緊急課題と位置付け、自治体としてできることを最大限取り組みます。職員、住民、議会との対話を原則とします。
日本で一番、区政の透明性と説明責任が高く、住民参加が活発な自治体にしたい。気候変動問題に野心的に取り組み、ジェンダー平等も進めます。
区民の声を聞く集会をいち早く、定期的に開きたい。
公約で掲げた「聡子ビジョン」は住民の要求から出発し、当事者や街頭から寄せられた声を共同で練り上げてきたものです。優先順位、緊急性、実現可能性を仕分け、決めていきます。
選挙で公共の再生を訴えました。コロナパンデミックで、医療や保健など公共の機能が弱体化し、そこで働くエッセンシャルワーカーが切り捨てられてきたことが明らかになりました。区立施設と区の職員はコストではなく、杉並区の財産です。
(質問に答えて)児童館など施設再編は計画ありきでなく、利用者をはじめ幅広い区民や現場職員の声を丁寧に聞き、検証したい。都市計画道路については住民の意見を慎重に聞き、対話を深めます。
公文書すぐ破棄することなく管理するのは、行政の基本的姿勢です。行政が間違いを起こした時に立ち戻れるため、開示請求にきちんと公開する大原則を持ちたい。
民営化・民間委託について、利用者、働く人の視点から丁寧に検証します。
女性やマイノリティの方が区政で働き、能力を発掘できるよう積極的に取り組みます。
新自由主義の限界が一番見えるのが自治体や地方経済です。働く人が働きやすく、小規模書店街や音楽、文化、スポーツを支援し、持続可能で多様性がある地域経済を目指すのが公共の再生であり、新自由主義に対抗する自治体の戦略だと思います。
(「しんぶん赤旗」2022年7月15日付より)