リニア中央新幹線の東京・品川駅近くの地下40メートル以下の大深度地下トンネル工事でシールドマシン(大型掘削機)による掘進が停止していることについて、JR東海は経緯や原因を9日に発表しました。日本共産党の山添拓参院議員は10日、国会内でリニアに反対する住民らとともに所轄官庁の国土交通省をただしました。
JR東海によると、昨年10月に工事の影響を調べるとして「調査掘進」を始めましたが、今年2月から掘進の効果が上がらなくなり3月に掘進を停止しました。「(掘削しやすい硬さの土にする)添加剤注入設備の故障」などが原因としています。
山添氏は国交省担当者に今回の事故について「重大だという認識はあるのか」と質問。担当者は「事業者が原因をつかんで対策をとるよう指導する」という回答にとどまりました。また「今回の発表の中身を知ったのはいつか」と質問。担当者は「発表の前日(8日)」と回答。山添氏は「JRは国交省にもまともな説明をせず、国交省もただしてこなかったということになる」と批判しました。
さらに「掘削再開に国交省としてJRに条件を出すのか」と質問。担当者は、法令として事業者に条件は出せないので作業の状況をみていくという内容の回答をしました。
山添氏は「リニア工事は本来中止すべきだが、少なくともJR任せではいけない。国交省が責任を持って、住民にきちんと説明させるようJRを指導すべきだ」と迫りました。
参加者が、東京外郭環状道路地下トンネル工事での陥没事故の例も示し、「私たちの暮らしが脅かされている。対応を」と求めました。
(「しんぶん赤旗」2022年8月13日付より)