東京都が来春の都立高校入試から導入しようとしている民間の英語スピーキングテストの導入中止を求めるスタンディング行動が18日、都庁前で行われました。主催は「都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会」です。
同テストは大手教育産業のベネッセが行うスピーキングテスト(ESAT―J/イーサットジェイ)で、7月7日に申し込みが始まり、11月27日に実施が予定されています。
これに先立ち都庁内で開かれた市民大集会(同実行委主催)にはオンラインを含め200人以上が参加。
慶應大学の大津由紀雄名誉教授は「スピーキングテストは達成度を測るためのもので、目的が選抜である入試に流用はできない。強行すれば、『傾向と対策』づけで生徒は英語嫌いになる」と指摘。武蔵大学の大内裕和教授は「入試対策をすることで逆に言葉やコミュニケーションを損なってしまう。微調整ですむようなものではなく、中止の決断が必要だ」と強調しました。
中学校教員も「進路説明会が終わり三者面談も終わったのに、スピーキングテスト関連で新たな情報が降りてきて校長も誰も答えられない。生徒が傷ついている」と発言。「東京で止めなければ全国に波及する」との声も出されました。
中学1年生の母親は「こんなテストを課す都立高校は受験しないという話も出ている。公正な試験をしてほしい」と語りました。
日本共産党、都民ファースト、立憲民主党、生活者ネットの都議らが参加しました。
(2022年8月19日日付「しんぶん赤旗」より)