1923年の関東大震災で数千人の朝鮮人が虐殺された事件で、9月1日に東京都墨田区の横網町公園で行われる関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に、小池百合子知事が追悼文を出さないと実行委員会に通知していたことが23日、明らかになりました。
式典は、関東大震災の混乱の中で「朝鮮人が暴動を起こした」などのデマが流され、軍隊、官憲、武装した市民によって虐殺された多数の朝鮮人ら犠牲者を追悼するため、市民でつくる実行委員会が主催して毎年開いているもの。
式典には74年以降毎年、歴代の知事が追悼文を送付してきましたが、小池氏は就任翌年の2017年以降、一方的に送付をやめています。実行委員会の要請に対し、都建設局は今月10日、今年も送付しないと通知してきました。
都政策企画局は本紙の取材に答えず、都建設局は「知事は3月と9月の大法要で関東大震災の犠牲者全てに哀悼の意を表しているので、個別の式典には送付しない。例年と同じ理由で例年通りの対応だ」と回答しました。
宮川泰彦実行委員長は、式典開始から歴代の知事が何の問題もなく継続して追悼文を送っており、小池氏も就任1年目は送付していたと指摘。「これまでの知事も大法要の参列とは別に追悼文を送ってきた。あえてやめる理由は全く見当たらない」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2022年8月24日付より)