「区民の声聞き対話を深める」
6月の区長選後初めての東京都杉並区議会定例会が12日開会し、岸本聡子区長が所信表明を行いました。(東京都・川井亮)
岸本氏は「区民の声を区政に生かしてほしいという多くの人に支援されて当選した。区民57万人の命と暮らしを守る大きな使命と責任を持ち、常に区民のための区政を行っていく。私に投票しなかった区民の声や思いを意識的に聞き、対話と理解を深めたい」と強調しました。
選挙で掲げた「さとこビジョン」について、多くの区民と共同で練り上げたものだとしつつ、「優先順位や緊急性、実現可能性、期待される効果などの視点から仕分けし、実行していく」として、 「課題解決の道筋について、区民や議会と真摯(しんし)に議論を重ね、自治基本条例に則った区政運営を進める。特に区民の区政への参画と協働、区民が区政の情報を知る権利をこれまで以上に尊重したい」と述べました。
国際的な政策研究機関で水道事業などの民営化の検証に従事し、「公共の再生」を求め活動してきた自身の経歴を紹介。「ビジョンと目的を共有して、多様な立場の人が話し合って一歩一歩進み、対話と協力の文化を作りたい」と表明しました。
温室効果ガスを2030年までに00年比で半減、50年までに排出実質ゼロを目指す街づくり、首都直下地震対策を重視するとともに、①子どもの権利条例策定とヤングケアラー調査 ②パートナーシップ条例など誰もが暮らしやすい地域 ③対話を大切にした街づくり ④気候市民会議の検討など環境と平和を守る ⑤コロナ対策や家賃助成など区民の暮らしを守る ⑥情報公開と透明性のある区政-を掲げました。
傍聴席には多くの区民が詰めかけました。傍聴した同区阿佐ヶ谷の女性(51)は「道路や施設再編について、計画ありきではなく区民と対話していくと語ったのがよかった。子どもの権利条例など時間がかかっても実現してほしい」と話していました。
(「しんぶん赤旗」2022年9月13日付より)