コロナ下 中小業者の事業再生へ
新型コロナウイルスの影響が長引き中小・個人事業者の倒産・廃業が増えている中、東京都産業労働局は21日、制度融資を利用した中小・個人事業者の事業再生のため、都が東京信用保証協会の融資を債権放棄できるとの認識を示しました。
都議会各会計決算特別委員会分科会で日本共産党の尾崎あや子都議の質問に答えました。
尾崎氏は、自然災害の被災者が住宅ローンなど債務を返済できなくなったときに、債権者との合意で債務整理を図るガイドラインについて、金融庁がコロナに適用する場合の特則を公表したことを紹介。「倒産手続き以外の道があるということだけでも、中小事業者に希望を与えるものだ」と強調しました。
弁護士らから「信用保証協会の保証付き制度融資を借りた場合、ガイドラインによる債務整理ができず破産に追い込まれてしまう。信用保証協会が同意しないと、全額返済か破産かの選択しかない」との声が上がっていると強調。2016年の熊本地震の際、熊本県が債権放棄できるよう条例改正したことを示し、都の対応をただしました。
都産業労働局の戸井崎正巳金融部長は「条例に基づき事業者の再生を促進している」と答弁。尾崎氏が「保証付き融資を債権放棄できるということか。実績はあるのか」と聞いたのに対し、実績があると認めました。
(しんぶん赤旗2022年10月22日付より)