「今度は私が誰かのために」 福祉一筋に生きる 2023統一地方選 共産党予定候補 挑戦への思い

清瀬市(定数20)
穴見れいなさん(51)

 「助けてもらったからには、私も同じように困っている誰かのために役立ちたい」。来春の清瀬市議選(定数20)で、日本共産党(現有6人)の深沢まさ子さん(4期)と、前回補選で当選した藤本いせ子さんの2人からバトンを受け継ぐ、穴見れいなさん(51)の決意です。この言葉に込められた思いには、絶望から救われた穴見さんのつらい体験がありました。
 新型コロナウイルスの感染拡大が始まった3年前、重度の知的障害のある長女(22)が感染した時のことです。
 40度の高熱を出しているのに、10日間も保健所は取り合ってくれませんでした。やっと電話がつながった発熱外来には重度障害を理由に断られ、医師からは「障害者は症状が悪化しても受け入れられない。それでもPCR検査を受けますか」とまで言われました。

 「守れなくてごめんね。お父さんのところに一緒に行こうかと泣きながら、娘を抱きしめました」。自宅療養を余儀なくされ、不安な日々を過ごすことになった穴見さんは一時、絶望の淵まで追い詰められたのです。
 「娘は幸いにも徐々に回復に向かいました。でも夫を亡くした時よりもつらかった。発熱外来の医師は『ごめんね、お母さん』と言ってくれました。保健所のみなさんも一生懸命に対応してくれました。保健師や医師が冷たいのではなく、政治は私たちのことを見ていない。命に関わる感染症でも政治は何もしてくれない」
 そんな政治への不信感を強めはじめたとき、一筋の光が見えました。日本共産党の原のり子都議の議会論戦です。重症化リスクの高い人や一般医療機関では受け入れが難しい障害児・者のコロナ治療を、都立などの公立病院が担うと都に確約させたのです。

え、私のこと?
国会に声届いた

 「どこかで聞いたことあるぞ」。国会中継を見ていた、ある日のこと。穴見さんが共産党の宮本徹衆院議員事務所が福祉施設を対象に行ったアンケートに書いた内容を、そのまま宮本議員が読み上げていました。コロナ禍前の2019年のことで、日本共産党との出会いで忘れられない、もう一つの場面です。
 穴見さんの娘が18歳で特別支援学校と放課後デイサービスを卒業し、作業所の通所も午後3時には帰宅するので、その後の時間をどうするか。いわゆる、障害児とその家族が直面する「18歳の壁」問題です。夫を亡くした穴見さんにとって、正規職員として働けなくなったら生計は成り立ちません。アンケートには、その悩みが切々とつづられていました。
 「重度障害者の青年期の余暇と保護者の就労保障の問題に光が当たった瞬間でした。国政、都政を動かすという大きなところから、日常の小さな困りごとまで、共産党にたくさん助けられました」
 穴見さんは、2021年7月の都議選で原のり子都議の応援弁士を買って出ました。当選後の8月、原都議からの入党の誘いに、快諾。10月の総選挙では党員として、宮本衆院議員の当選に力を尽くしました。
 そして今年7月、清瀬市議の予定候補にと請われます。穴見さんにとって青天の霹靂(へきれき)でした。即答はできず、話し合いは3回に及びました。生活基盤である東久留米市を離れること、通信大学で福祉を学んでいる途中であること、自分の能力のこと、たくさん悩みました。
 「日本共産党が描く福祉優先の社会と私が通信大学で学び、社会福祉に生かしたいと考えていることがリンクしていることに気がつきました。共産党が目指すものの大切さが見えてきたんです。共産党の議員さんの真剣さ、熱い思いを目の当たりにして、私自身も変わらないといけない」。穴見さんは市議選へのチャレンジを決意しました。

娘が運んでくれた
出会いに感謝

 穴見さんは障害のある娘を育てる中で福祉の道に入り、福祉一筋に生きてきました。娘が入所した施設で虐待を受けても、移る施設がないために泣き寝入りせざるをえない弱い立場の人たちの悲しい姿も見てきました。「つらい思いもしましたが、共産党と出会えました。娘が運んできてくれた出会いだと感謝しています」とにっこり。
 「福祉施策で清瀬モデルを実現したい。他市にも大きな影響を与える突破口にできれば、障害者運動をいっしょにやってきた仲間の思いにも応えることになる。何よりだれもが安心して住める清瀬になります」
 大きな夢に向かって歩き始めた穴見さんの趣味は魚釣り。「普段はさっぱり系の性格なのに、釣りの時は粘着質になるんです。そんな粘っている自分が好き」。釣りで培った粘り強さを、夢の実現に生かすチャンス到来です。

医療・社会保障立て直せ
いのちまもる国民総行動

 「いつでも、どこでも、お金の心配なく、必要な医療や介護が受けられることは国民の願いであるとともに、憲法で保障された権利」―秋晴れの空に集会アピールが響き渡りました。「いのちまもる 医療・社会保障を立て直せ!国民総行動」が20日、日比谷野外音楽堂をメーン会場に全国をオンラインでつないで開催されました。今回は3年ぶりとなる音楽パレードも銀座までにぎやかに行われました。
 集会のトークショーにはお笑い芸人のせやろがいおじさんも登場。沖縄で活動する自身の経験に風刺ギャグを交えて会場を大いに沸かせ勇気づけました。
 リレートークでは現場の医師や看護師、保健師、保育士などのエッセンシャルワーカー(ことば)らが登壇。長期化するコロナ禍で「助かるいのちが救えない」医療崩壊や感染拡大を止めるために奮闘してきた保健所などの実態を告発。あわせて、岸田政権によるロシアのウクライナ侵略を口実にした「改憲と軍事費倍増」を批判しました。
 「人手の不足する医療・看護の現場」や、「低賃金下で奮闘する保育の現場」などの処遇改善と、物価高に対応すべく賃金アップなどを求めて訴えました。保険診療を行う診療所やクリニックの医師・歯科医らは、75歳以上の高齢者の医療費が2割負担になったことを受けて「受診をためらう人が出ている」として、健康悪化を懸念し保健医療の充実を求めました。
 年金所得者も登壇し、物価高騰に対応して年金支給額が増えないことの改善などについて運動への熱い決意を語りました。
 会場では①医療・社会保障の拡充で、いのちと人権守る政治への転換②医師、看護師、介護職員、保育士などの大幅増員・処遇改善、公衆衛生の充実③患者・利用者の負担増ストップ!地域の介護・医療守れ④平和なくして医療・介護・福祉なし―からなる集会アピールを拍手で採択。銀座へ向けて音楽パレード出発。「みんなで守ろう、医療と福祉」など、DJのラップに合わせて沿道に楽し気に訴えかける姿は注目を集めました。
 集会には国会の合間を縫って日本共産党の小池晃、倉林明子、仁比聡平の各参院議員が激励に駆けつけました。

給食費の無償化を
中野区議会
全会一致で意見書

 中野区議会は19日、「学校給食費の無償化を求める意見書」を全会一致で可決しました。
 日本共産党が提案し、他会派、議員と文言調整をしていたといいます。
 意見書は、学校給食による食育について「教科学習とともに、学校教育の大きな柱になっている」と指摘。当初は自己負担が求められた教科書が教科書無償措置法などにより無償化された経緯に触れながら、「学校給食費についても、義務教育段階においては教科書と同様に無償化することが必要」と述べています。
 また、家計にとって給食費が重い負担となっていることや、「家庭の事情による”栄養格差”をどう改善するか」という点でも、給食の果たす役割の大きいことを強調。都内の自治体でも、区立小中学校の給食費に対し、35自治体が公費で補助し、5自治体が無償化していることを指摘し、国として給食費無償化のための自治体への支援を行うよう、求めています。

ことば
エッセンシャルワーカー 感染リスクのある中でも国民の生活を維持するために現場で働き続けなくてはいけない労働者

一分

 統一協会との接点が次々と明らかになっていた山際大志郎経済再生担当相が24日、岸田首相に辞表を提出しました▼自民党が9月に点検結果を公表した後も、山際氏をめぐっては、統一協会の韓鶴子総裁と集合写真を撮影していたことや、協会が主催する会合に出ていたことなど、新たな事実が続々と明るみに出されてきました。それでも山際氏は「自分にとって重要だと思わないことは覚えていない。それは私にとってはそれほど不自然なことではない」と国会答弁するなど、無反省な言葉を繰り返していました▼統一協会との癒着関係を指摘されても、山際氏を閣僚として続投させてきた岸田首相の任命責任も厳しく問われます。岸田氏も山際氏と同様、「任命責任を感じているからこそ、今後の審議、職責をしっかり果たすことで、その責任を果たしたい」と反省のない言葉を述べるだけでした▼日本共産党の小池晃書記局長は辞職を受け、「遅きに失した。山際氏は自らの統一協会との関係を包み隠さず明らかにすべき」と語りました▼統一協会との接点が明らかになっている閣僚などの政務三役は4割に及びます。「自主申告」任せの調査を止め、政府として自民党として責任を持った調査を行って、関係を解明するべきです。

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