東京都教育委員会がベネッセの英語スピーキングテスト(ESAT-J、11月実施予定)を来年の都立高校入試に導入しようとしている問題で、都民と都議会の超党派議連が31日、都庁で記者会見し「不公正で問題が続出しているESAT-Jの実施は今からでも中止を」と訴えました。
「入試改革を考える会」の大内裕和代表(武蔵大学教授)は都教育庁に12回の公開質問状を提出したと紹介。ESAT-Jを受験しなかった生徒の点数で、入試学力検査の得点が近い他の生徒のスピーキングテストの点数を推定し当てはめる方針について「両者の相関関係を示すデータはなく、推定はできない」と指摘しました。不受験者の扱いによって学力検査の得点と総合得点との逆転現象が起きる可能性を示し、「都は専門家との意見交換もなく実施しようとしている。ESAT-J活用はしてはならない」と強調しました。
都議会議連の風間穣会長(立憲民主党)は、「議連のヒアリングや都議会の質疑でも、都教委は『問題ない』と繰り返すばかりだ」と指摘。とや英津子事務局長(日本共産党)は、「テストの強制は教育基本法が禁じる『不当な支配』だ。ベネッセとの利益相反や、保護者の要望を無視していることなど、教育環境の整備に責任を持つべき都教委のやることか」と批判しました。
(しんぶん赤旗2022年11月1日付より)