参院外防委
日本共産党の山添拓議員は8日の参院外交防衛委員会で、米軍と自衛隊が運用するオスプレイが、回転翼に動力を伝達するクラッチの不具合(ハード・クラッチ・エンゲージメント=HCE)で制御不能に陥る危険を知りながら国民に隠蔽(いんぺい)して配備を強行した疑いを追及しました。
今年8月12日、ノルウェーでCV22オスプレイが制御不能に陥り緊急着陸した事故について、米空軍はHCEの可能性をあげ、同16日、全機地上待機を命じました。ところが9月3日、原因が解明されないまま飛行を再開。防衛省は「安全性に問題はない」として全面的に容認しました。
山添氏が、HCEが発生する原因について説明があったのかただしたところ、防衛省の安藤敦史防衛政策局次長は米側からの説明はなく、「根本的な原因は米側で引き続き調査中」と答弁。原因不明であると認めました。
さらに山添氏は、米海兵隊は2010年にはクラッチの不具合を認識していたにもかかわらず、12年の沖縄へのオスプレイ配備にあたり防衛省が作成した説明資料には、その点が一言も書かれていないと指摘。米軍からクラッチの不具合を知らされた時期をただしたところ、同省の町田一仁人事教育局長は、「米国防省からクラッチを原因とする特有の現象がまれに発生することを10年の段階で把握」し、自衛隊オスプレイ配備にあたり「16年に、(クラッチ不具合への対処で)全乗組員に適切な教育訓練を施した」と答弁しました。
山添氏は、「12年の沖縄配備、14年の自衛隊配備決定において、制御不能で墜落に至りかねない機体であることを隠して配備したということか」と厳しく迫り、欠陥機オスプレイの配備撤退を求めました。
(しんぶん赤旗2022年11月9日付より)