衆院厚労委 宮本徹氏に参考人
精神福祉法や難病法など五つの法案を束ねた障害者総合支援法改定案の参考人質疑が、16日の衆院厚生労働委員会で行われました。日本共産党の宮本徹議員は、精神障害者を本人の同意なく強制入院させる医療保護入院について、家族がいない場合に市町村長の同意で良いとする制度の形骸化が指摘されている問題を質問しました。
桐原尚之・全国「精神病」者集団運営委員は、改定案で家族の意思表示がなくても強制入院が可能となることから「いままでなかった市町村長同意の層をつくることになり、医療保護入院が増える懸念がある」と指摘しました。
日本弁護士連合会の池原毅和弁護士は、市町村長同意させるために「市町村職員が患者に会いに行くことは乏しく、半年に1回の人は1%にとどまる。形骸化した同意で入院させられる患者の権利を欠いてはならない」と述べ、市町村による必要な措置の努力義務化などを求めました。
また、宮本氏は精神医療審査会が患者の人権を守る役割を十分に果たせていない問題をどう改善していくべきか質問。藤井千代国立精神・神経医療研究センター部長は「審査会委員は非常勤で、できることに限りがある。事務局も人手不足で運営している」と実態を語り、人権擁護にかける予算や人員の少なさを指摘しました。
池原氏は、障害者権利条約のパリ原則に基づいて国内に独立公正な人権擁護機関を創設する必要性を訴えました。
(しんぶん赤旗2022年11月17日付より)