敵基地攻撃能力の保有は違憲 NHK日曜討論 山添政策副委員長が主張

「日曜討論」で発言する山添拓政策副委員長(NHKテレビから)

日本共産党の山添拓政策副委員長は27日、NHK番組「日曜討論」に出演し、安保3文書改定に関する政府有識者会議の報告書について各党代表と討論しました。山添氏は「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有や大軍拡計画を批判し、軍拡財源を増税にたよる方針に消費税増税の危険を指摘。岸田政権はまともな外交戦略がなく「軍事一辺倒」だと述べ、対話と交渉による平和の外交ビジョンを提案しました。自民、公明、日本維新の会、国民民主は「敵基地攻撃能力」保有や軍事費増額が必要だと主張。立憲民主党も理解を示しました。(詳報4面)

山添氏は、中国の覇権主義的行動と北朝鮮の相次ぐミサイル発射を厳しく批判した上で、「軍事に軍事で対応すればエスカレートを招く」「外交的解決の姿勢がないまま、危機感をあおるばかりの(岸田政権の)対応は最悪だ」と批判。日本共産党が掲げる「平和の枠組みをつくる外交ビジョン」を紹介し、「あれこれの国を排除するのではなく、地域の全ての国を包み込むインクルーシブ(包摂的)な平和の枠組みが重要だ」と訴えました。アジア政党国際会議(ICAPP)で採択された文書は、「紛争解決の唯一の道としての対話と交渉を強調している」とし「これがアジアの本流だ」と主張しました。

自民党の小野寺五典元防衛相が「軍事力や経済力を背景にした外交でないと前に進まない」と主張したのに対し、山添氏は「有識者会議の報告書では軍事力強化の話ばかりしている」と反論しました。

山添氏は、同報告が「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有と増強を「不可欠」としていることについて、政府は相手に攻撃的脅威を与えるような兵器は憲法上保有できないとしてきたとして、「それを百八十度転換し、憲法違反を公然と進めるものだ」と強調。岸田政権が購入を検討している米国製の巡航ミサイル・トマホークについて、「もっぱら攻撃のための兵器だ」「大量保有することは、相手にとって先制攻撃の可能性のある脅威となる」と批判しました。

(1面のつづき)

軍拡財源を巡り、小野寺氏が「数字ありきではない」と述べたのに対し、山添氏は「自民党が選挙公約でGDP(国内総生産)比2%という数字を出している」と突き付け、「岸田首相がバイデン大統領に『相当な増額』を約束した」と批判。「アメリカの要求にこたえようとするものだ」と述べました。

報告書が財源について「幅広い税目による負担」や「企業の努力に水を差すことのないよう、議論を深めていくべき」と明記していることをあげて、「大企業の負担にならないように気を使って国民全体で負担せよということであれば、消費税増税も排除されない」と批判しました。

山添氏は、政府の税調では消費税のさらなる増税まで議論している状況だとし、「国を守るためだから国民は我慢せよというなら、かつての戦争と同じだ。平和も暮らしも押しつぶす道を歩んではならない」と強調しました。

山添拓議員の発言はこちら

(しんぶん赤旗2022年11月28日付より)

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