衆院予算委 宮本徹議員“際限なく国民にのしかかる”
「幅広い税目」 首相否定せず
日本共産党の宮本徹議員は29日の衆院予算委員会で、政府が検討している大軍拡は物価高と実質賃金低下に苦しむ国民にのしかかるもので許されないと批判し、「軍拡増税」の中止を求めました。
岸田文雄首相は28日、2027年度に防衛省予算と関連経費を合わせた軍事費が国内総生産(GDP)比2%に達する予算措置を指示。約11兆円となり、現在のGDP比で現行の2倍近い大軍拡です。
宮本氏は、軍拡財源について有識者会議の報告書が「国民全体での負担視野」「幅広い税目による負担の必要」に言及しており、軍事費倍増を増税でまかなえば国民1人当たり4万円、4人家族で16万円にのぼるとして、「軍拡のために『幅広い税目』で増税を行うのか」と追及。岸田首相は「27年度に向け、安定的な財源確保を考える際、さまざまな財源について精査し、年末に向け結論を出していく」と述べ、「幅広い税目」の増税を否定しませんでした。
さらに宮本氏は、昨年10月の総選挙、今年7月の参院選の公約で自民党は「軍拡増税」に一言も触れておらず、国民は白紙委任を与えていないと主張。「国会多数の力で『軍拡増税』を押し通すことは許されない」と中止を求めました。
また、政府が検討する敵基地攻撃能力=反撃能力の保有は、憲法9条のもと、攻撃的兵器は持てないとする「専守防衛」を宣言してきた日本のありかたを覆すと指摘し、日本が同能力を持てば、相手がそれを上回る強力な攻撃を日本に向け、「安全保障のジレンマに陥る」と警告。岸田首相は「日本の考えを透明性を持って周辺国に説明していく」と弁明しました。
宮本氏は「『専守防衛』を宣言してきた日本が攻撃力を持てば、軍拡競争に際限がない。中国のGDPは日本の3・7倍だ。財政的にもたないのは日本であり、国民の暮らしだ」と批判。それでも「『専守防衛』の姿勢は変わらない」と繰り返す首相に、「『専守防衛』と言うが、集団的自衛権のもと、(日本への攻撃がなくても)敵基地攻撃能力行使はできると言ったのは岸田政権だ」と反論し、平和外交への尽力を求めました。
(しんぶん赤旗2022年11月30日付より)