暮らし守る施策不十分 2次補正案 衆院通過 宮本徹氏 反対討論

2022年度第2次補正予算案が29日の衆院本会議で、自民、公明、国民民主の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。日本共産党の宮本徹議員は反対討論で、「最も緊要である物価高騰から暮らしを守る施策は全く不十分である一方、緊急性がない多額の予備費や基金、軍事費などを計上している」と批判しました。

反対討論を行う宮本徹議員=29日、衆院本会議

宮本氏は、補正予算に多額の軍事費を計上し、次年度の歳出化予算を前倒しして盛り込むことは、「財政法で規定された補正予算の趣旨を踏みにじるやり方」と主張。しかも、盛り込まれている軍事費の多くが辺野古新基地建設や馬毛島基地建設などの米軍再編に伴う経費だと厳しく批判しました。

宮本氏は、5兆円もの巨額の予備費にも言及。コロナ禍以降、巨額の予備費の計上が繰り返され、内閣が国会の審議を回避する手段となっているとも指摘し、「財政民主主義を踏みにじるものだ」と批判しました。

物価高騰対策についても「極めて不十分」と批判。最低賃金の再改定を行うとともに、中小企業等への社会保険料減免の支援で全国一律の最賃1500円の速やかな実現、また国が責任を負う介護・障害者福祉・保育などケア労働者の賃金引き上げを要求しました。

さらに、宮本氏は物価高騰対策に逆行する国民負担増として、(1)介護保険の負担増(2)インボイス制度の中止(3)大軍拡と増税の中止―の三つの断念を政府に求めました。


2022年度2次補正予算案 宮本徹議員の反対討論(要旨)衆院本会議

日本共産党の宮本徹議員が29日の衆院本会議で行った、2022年度第2次補正予算案に対する反対討論の要旨は次の通りです。

政府の補正予算案は、もっとも緊要である物価高騰から暮らしを守る施策は全く不十分な一方、緊急性がない多額の予備費や基金、軍事費などを計上しています。国民の暮らしの実情からも、財政法に照らしても到底認められません。

補正予算に多額の軍事費を計上し、次年度以降の歳出化経費を前倒して盛り込むというやり方は、財政法で規定された補正予算の趣旨を踏みにじるものです。また、今回盛り込まれている軍事費の多くは、辺野古新基地建設、馬毛島基地建設など米軍再編経費です。9月の沖縄県知事選で県民は辺野古新基地建設にノーの審判を重ねて示しました。米軍艦載機の夜間発着訓練のための馬毛島基地建設は、種子島住民らの住環境を悪化させることは明らかです。

補正予算案には5兆円もの巨額の予備費が計上されています。コロナ禍以降、巨額の予備費計上が繰り返され、内閣が国会の審議を回避する手段となっており、財政民主主義を踏みにじるものです。

物価高騰対策は極めて不十分です。最低賃金の再改定を決断すべきです。賃金支払いが厳しい中小企業等には社会保険料減免など踏み込んだ支援を行い、速やかに全国一律1500円を実現すべきです。国が責任を負っている介護・障害者福祉・保育など、ケア労働者の賃金を全産業平均に向けて引き上げるべきです。学校給食無償化、高等教育の無償化・給付型奨学金の拡充、物価に合わせた年金引き上げ、消費税減税など暮らしを守る政治の責任を果たすべきです。

加えて、物価高騰対策に逆行する三つの国民負担増の断念を強く求めます。

第1に、介護保険の負担増です。社会保障審議会で、介護保険利用料の2割負担の拡大などが検討されています。何十年も保険料を納めながら、利用料負担に耐え切れず、必要なサービスが使えないのは、国家的詐欺ではありませんか。

第2に、インボイス制度の中止です。多くの中小・零細事業者が物価高で瀬戸際の状況にあります。

第3に、大軍拡と増税の中止です。岸田首相が昨日指示した軍事費倍増は、増税でまかなえば、国民1人当たり4万円、4人家族で16万円です。国民は選挙でこのような大増税の信任を岸田政権に与えておりません。

敵基地攻撃能力の保有は、安全保障のジレンマに陥り、軍拡競争をエスカレートさせるだけです。外交で戦争が起きない関係づくりこそ全力を挙げるべきです。

(しんぶん赤旗2022年11月30日付より)

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