日本共産党の山添拓議員は2日の参院予算委員会で、統一協会の被害者救済のための新法案について、寄付の取り消し基準の明確化や禁止規定の拡大などを求め「実効性あるものとすべきだ」と主張しました。
同法案は、寄付勧誘に際しての法人の「配慮義務」として、「正体を明らかにし、寄付の使い道を誤認させない」などを規定しています。全国霊感商法対策弁護士連絡会などは「配慮義務だけにとどまれば、迅速な被害防止、救済は実現できない」として、行政罰を科せる「禁止行為」にするよう要請。岸田文雄首相は要件の「明確性」に問題があると拒否しています。
山添氏は、統一協会の「正体を隠し、寄付の使い道を誤認させる」行為の違法性は明確だと指摘した上で、「刑事罰の対象にするのではなく、禁止行為として取り消しの対象とする可能性はあるか」と質問。河野太郎消費者担当相は「検討の余地はある」と述べました。
一方、新法案は禁止行為の条文に、寄付の勧誘をするに際し▽困惑させてはならない▽寄付をすることが必要不可欠と告げること―と明記。山添氏は、マインドコントロール下では「寄付の時点では進んで寄付をしているように見えるものが多くある」と指摘し、「困惑しないで行う寄付が対象となる条文にすべきだ」と主張しました。
さらに、「入信時に寄付を求めておらず、数年後に初めて寄付を求めた場合は、取り消し権の対象となるのか」と質問。河野担当相は「(入信当初に)寄付の勧誘があれば、それは対象になる」と述べるにとどめました。 山添氏は、当初は寄付の勧誘をしていないケースがほとんどで、統一協会被害のほとんどの部分が外れてしまいかねないと指摘。「法案も政府の説明も明確ではない。不十分な法案で実効性を欠くことがないように、今からでも必要な見直しを行うべきだ」と主張しました。
(しんぶん赤旗2022年12月3日付より)