都議会議連・市民 入試活用中止を
「周りの受験生の回答する声が丸聞こえだった」。教育産業大手のベネッセが運営する英語スピーキングテストが11月27日に強行され、問題点が浮き彫りになりました。
東京都教育委員会は、テストの結果を来年2月の都立高入試に活用するとしています。同テストの中止を訴えてきた研究者や保護者の団体と入試活用を中止するための都議会議員連盟が5日、都庁で会見して試験後に行った「実施状況調査」(受験生と保護者、試験監督ら478人が回答)の結果を公表。改めて入試活用の中止を訴えました。
同テストは、都立高校など197カ所で前半と後半に分かれて行い、都内公立中学3年生約6万9000人が受験しました。後半組は隣の教室で自習道具を持ち込み待機。試験中も窓や扉は開いていました。“前半組の回答が聞こえた”との声が46会場、92件寄せられました。休憩時間、トイレで前半組と後半組が話をし、「トイレに行った後半組がほとんど問題を知っていた」という声も。試験中、周囲の受験生の声が聞こえたとの回答は78会場、166件ありました。
慶応大学名誉教授の大津由紀雄さんは「不公平で不公正な試験の結果を、生徒たちの将来に重要な影響を与えかねない入学者選抜に利用することがあってはならない」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2022年12月6日付より)