多数の樹木を伐採するなど批判の声が上がっている神宮外苑(東京都港区、新宿区)の再開発問題。「神宮外苑を守る有志ネット」とユネスコの諮問機関の日本イコモス国内委員会は26日、事業者が提出した環境影響評価書修正案に対する環境アセス審議会を、都が十分な周知もなく開催したことに抗議する声明を発表しました。
審議会は都ホームページ上で20日発表され、傍聴受け付けは23日までに終了。発表は都庁記者クラブへの文書通知や環境局ツイッター上のみで、都議会や市民団体に連絡はありませんでした。
有志ネットは記者会見で、審議会が十分な告知もなく急きょ開催されたことは環境アセスの公開性に反し、都民参画を求める都条例を阻害するものだと批判。「26日の審議会は無効とし、再度広く周知して開催すべきだ」と訴えました。
日本イコモスの石川幹子中央大学研究開発機構教授は、都に環境アセス条例に基づく事業の実施制限を解除しないよう求めました。
審議会を傍聴していた有志ネットの市民は「イチョウ並木の保全に懸念があるなど、私たちと同じ疑念を発言した委員がいたが、まともな回答がなく結果に反映されなかったのは残念だ」と話しました。
(しんぶん赤旗2022年12月28日付より)