新春随想 特別な餅の味わい 党副委員長・参院議員 田村智子

三が日、お雑煮は白味噌もお出汁もいただきました。今年、白味噌に入れた丸餅は島根県のヤシロモチ、農民連の方が有畜複合経営を生かして栽培したモチ米のお餅です。煮込んでも崩れず、もちもちだけどコシがある、これはおいしいと娘夫婦にも大好評でした。

12月、島根県での演説会後、大田市の酪農家の方から物価高騰と入荷や子牛価格の暴落の深刻な影響をお聞きしました。飼料が高騰したからと節約したり乳価の調整だと搾乳を減らしたりはできない、牛は生き物なのだからー当たり前のことなのに、ハッとさせられました。

この地域は、満州からの帰国者政策で先人たちが開拓した酪農地です。つらく苦しい開拓を耐え我慢強さを受け継ぐ酪農家が「もう限界」という言葉の深刻さにどう向き合うのかと今も考えずにはいられません。

いただいた丸餅、牛ふんも稲わらも堆肥となり、害虫はツバメやクモ、カエルに食べてもらった田んぼからやってきました。大規模化して生産性を上げて、輸入農産物との価格競争を強いる農政と、生態系を支援する農政、どちらに希望を見出せるか。

シコシコの丸餅を噛むほどに、ミサイルよりも農業支援だと胃袋からも力が湧いてきました。

(しんぶん赤旗2023年1月13日付より)

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