日本の鉄道開業期の遺構である高輪築堤(たかなわちくてい=東京都港区)がJR東日本の大型再開発で破壊されている問題で、日本共産党の吉良よし子参院議員は13日、文化庁から聞き取りを行いました。周辺住民や研究者でつくる「高輪築堤の全面保存を求める会」の人たち、党港区議団も同席しました。
高輪築堤は、1872年に旧新橋駅―横浜駅間で鉄道が開業した際、石組みなどの日本の築城技術も活用して、海上で延長約2・7キロにわたり堤防を築いて造られた日本最古の海上鉄道遺構です。その後、周囲が埋め立てられましたが、2019年の品川駅改良工事で石垣の一部が発見されました。
多くの歴史学研究団体やイコモス(国連教育科学文化機関=ユネスコ=の諮問団体)などが築堤の保存を求めていますが、JRは再開発1~4街区で築堤の大部分を「記録保存」にとどめ破壊しています。
聞き取りで参加者が「築堤は当時の土木技術の素晴らしさを示しているが、壊してしまえば復元できない。JRは発掘現場の見学会も広く公開していない。今後再開発する5・6街区では、築堤を保全すべきだ」と訴えました。
文化庁の担当者は「懸念をJRにしっかり伝えたい。1~4街区と同様にならないよう反省を生かし、保存できるよう頑張りたい」と答えました。
吉良氏は「高輪築堤は貴重な文化財。全面保存に近づけるよう努力を」と求めました。
(しんぶん赤旗2023年1月16日付より)