総務省が27日発表した1月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104・2と、前年同月比4・3%上昇しました。伸び率は前月(3・9%に改定)を上回り、第2次石油危機の影響が残る1981年5月に並ぶ、41年8カ月ぶりの高さとなりました。
食料品の値上がりが続いたほか、都市ガス代を中心にエネルギー価格が上昇しました。観光需要喚起策「全国旅行支援」の縮小で、前月に比べ宿泊料の値下げ効果が弱まったことも物価の上昇を加速させました。
東京都区部の指数は、2月24日に公表される1月の全国消費者物価指数の先行指標となります。
項目別では、生鮮食品を除く食料の伸び率が7・4%。エネルギーも、電気代は24・6%、都市ガス代は39・7%と上昇が続きました。
都市ガス代は、81年3月以来の高い伸び。外食のハンバーガーは18・3%上昇、1月中旬に大手チェーンで値上げがあった影響で大幅に伸びました。
生活実感に近い生鮮食品を含む全体の総合指数は4・4%上昇。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は3・0%の上昇でした。
政府による電気・都市ガス代の負担軽減策の効果で、物価の伸びは2月以降、いったん鈍化するとみられます。ただ、電力大手7社は負担軽減策を上回る家庭向け電気料金の値上げを経済産業省に申請しており、物価には根強い上昇圧力がかかります。(時事)
(しんぶん赤旗2023年1月28日付より)