東京都府中市の都立多摩総合医療センターのER病棟(夜間専門病棟)の閉鎖計画が労組との団体交渉で撤回されたことが27日、明らかになりました。
東京都庁関連法人一般労働組合東京都都立病院機構支部多摩総合医療センター分会と尾林芳匡弁護士が同日会見しました。
尾林氏は、コロナ禍で、今現在も救急搬送先の確保が困難な状況のなかでのER病棟の閉鎖は、夜間緊急入院の受け入れ患者数を減らすことになり大問題だと指摘。さらに、ER病棟が閉鎖された際の問題点として▽救急医療の安全性の低下▽医師・看護師の労働強化▽患者への入院費の負担増ーをあげています。
尾林氏は、救急医療は民間病院では対応しきれず、営利目的ではない行政の責任で担わなくてはならないものだと強調。「今回の団体交渉で病院側は撤回しましたが、今後の方向性として、いまだ閉鎖に執着しています。都民の貴重な財産として守られてきた都立病院の救急医療体制はなくしていいものではない」と話します。
会見に参加した組合役員は「職員にアンケートを取ったところ、回答が来ている356人のうち、廃止に賛成しているのは6人だけだった。今よりも忙しくなると困ると話していた」「都民と看護師の命を守るために、たたかっていきたい」と話しました。
(しんぶん赤旗2023年1月29日付より)