東京都杉並区の岸本聡子区長は1月31日の定例記者会見で、前区政の区立施設再編整備計画で廃止予定としている施設のうち、天沼地域の区民集会所と高齢者施設の計3施設について、2月に始まる区議会第1回定例会に廃止条例案を提出せず、利用者ら地域住民と対話を続ける方針を表明しました。
岸本氏は「公共施設やサービスは全区民の共有財産」だとして、民間委託手法を検証するため、指定管理事業者や従事者、区民のアンケート調査を行っていると発言。区立施設再編整備計画についても、区民アンケートや意見交換会で幅広く区民の意見を聞き、検証結果をまとめると明らかにしました。
廃止予定の本天沼区民集会所、天沼区民集会所、高齢者施設「ゆうゆう天沼館」について、説明会を通じて利用者の「長年継続してきた活動をやめざるを得なくなるのでは」という不安の声が多いことが分かったとして、2月の区議会定例会に3施設の廃止条例案を提出せず、「地域のみなさまとの対話を継続する」と述べました。
岸本氏は急激な物価高騰が進む中、低所得世帯の就学援助を「生活保護基準額の1・2倍」から1・3倍に引き上げると表明。学校給食費の高騰分を新年度も公費で負担し、保護者負担を据え置く方針を明らかにしました。給食費無償化については「庁内や教育関係者、子どもたちとの議論を行い、さまざまなやり方を検討したい」と語りました。
(しんぶん赤旗2023年2月2日付より)