日本共産党勝利で東京から“平和の審判”を 地方選オンライン演説会 志位委員長が訴え

 日本共産党東京都委員会は11日、目前に迫った統一地方選での勝利・躍進に向け、志位和夫委員長を迎えたオンライン演説会を開催しました。志位氏は東京の共産党地方議員団の素晴らしい働き、「戦争か、平和か」が問われる歴史的岐路のもとで日本共産党の果たしている役割をテーマに縦横に語り、「首都・東京から日本共産党勝利で“平和の審判”をくだしましょう」と訴えました。

 会場には総勢203人の地方選候補者が勢ぞろい。代表して、穴見れいな清瀬市議候補、かきうち信行豊島区議候補、いわい桐子板橋区議候補が決意を表明しました。

 志位氏は、4月の統一地方選で、区議選では現有112議席から128議席、市町村議選では現有73議席から75議席へ前進し、首長選挙でも勝利を目指そうと熱く訴えました。

大軍拡と対決

 国政の問題について志位氏は、岸田政権の大軍拡に正面対決し、「平和の対案」を掲げる日本共産党の役割が際立っていると語りました。

 志位氏は「敵基地攻撃能力の保有、5年間で43兆円の大軍拡の危険性に正面から切り込む論戦に、反戦平和の党としての存在意義をかけて取り組んできました」と強調し、衆参両院の本会議、衆院予算委員会での論戦の到達点を報告。その中で、敵基地攻撃能力保有の根本問題をただした自身の予算委での質問を紹介しました。

 「敵基地攻撃能力とは何か」について、「専守防衛」を投げ捨てる「スタンド・オフ・ミサイル」(長射程ミサイル)がその正体だと生々しく告発。その上で「何のために敵基地攻撃能力を持つのか」について、米国が地球的規模で同盟国を動員して構築している「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)に参加するためだと述べ、「米国が先制攻撃の戦争に乗り出した時に、自衛隊も一緒に戦争することになる。つまり、憲法違反であるだけでなく、国連憲章と国際法に違反する無法な戦争に乗り出すことなる。これが今やられようとしていることの正体です」と告発しました。

 志位氏は、穀田恵二、赤嶺政賢両議員の質問で、集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行えば、報復攻撃を受け、「日本に大規模な被害」が生じる可能性があること、沖縄がその最前線に立たされる危険性があることが明らかになったと指摘。宮本徹議員の質問では、年金や医療費の積立金が大軍拡の財源に流用されようとしている問題を追及したと紹介しました。


 志位和夫委員長は、憲法9条を生かして東アジアに平和をつくる日本共産党の「外交ビジョン」を紹介し、内外で平和外交の実現のために力を尽くしてきたと報告。故・加藤周一さんの言葉を引きながら「『平和をのぞむならば、平和の準備をせよ』―政府はこの言葉を重く受け止めるべきだ」と訴えました。

 志位氏は、ある自民党重鎮が岸田政権の大軍拡と正面からたたかう日本共産党の存在と活動に対して、「日本の政治を救っている」との評価を寄せていると紹介。「大軍拡に正面から対決する日本共産党の存在と活動は、弾圧のもと不屈に反戦平和を貫いた戦前の活動に匹敵する歴史的意義を持つといえるのではないでしょうか。101年の歴史で試された反戦平和の党・日本共産党を大きくしていただきたい」と力強く呼びかけました。

議員団の値打ち

 志位氏は、東京の共産党地方議員団の素晴らしい働きについて、三つの値打ちを話しました。

 第一は、住民の暮らしと福祉を良くする抜群の働きです。

 志位氏は、東京では子どもの医療費無料化を求める運動が1968年に始まり、都民と党議員団との50年にわたる連携プレーで全国トップレベルの制度に発展させてきたと力説。都民運動と共産党議員団の奮闘で、2023年度から「高校卒業」まで無料に拡充となった実績を示しつつ、所得制限と自己負担をなくして完全無料にしようと訴えました。

 学校給食無償化では、葛飾区議団が区民アンケートや他の自治体への訪問、議会で提案と論戦を重ね突破口を開き、23年度からの無償化を実現させたと紹介。吉良よし子参院議員などの国会論戦も無償化を後押ししてきたと語り、全自治体での無償化を実現しようと力を込めました。

 補聴器購入費補助でも力を発揮し、19年度に9自治体だった支援制度の対象を22年度には2倍の18自治体に拡大させたと強調。ジェンダー平等に関わっては、都に5千万円の予算を付けさせ「痴漢撲滅プロジェクト」を始めさせたこと、パートナーシップ制度などの実現に尽力してきた実績を語りました。

 第二は、国の悪い政治の押し付けから都民を守る「防波堤」の働きです。

 志位氏は、「地域医療構想」の名で急性期のベッド削減、「国保の都道府県化」での国保料引き上げを進める東京都の「オール与党」政治を厳しく批判。同時に党議員団の頑張りで、東京では約93%の自治体が国保料の負担軽減のための支援を維持し、「均等割」では複数の自治体で独自の負担軽減制度を実現していると語りました。

 第三は、地方政治のゆがみを大本からただす働きです。

 志位氏は、4年間で、東京の区市町村のため込み金(基金や積立金)が5千億円も増えていると指摘。東京の全小中学校で給食無償化に必要な予算は400億円であり、ため込み金を使えば10年分以上が無料になると述べ、「共産党を伸ばして、巨大な財源力は住民のために使わせましょう」と訴えました。

 最後に志位氏は、「130%の党」づくりに向けた取り組みを呼びかけ。東京では、党員3366人、日刊紙読者4737人、日曜版読者1万7535人の前進が必要だとして、「強く大きな党をつくり、選挙に勝ち、さらに強く大きな党をつくる新しい挑戦に取り組みましょう」と心から訴えました。


 11日の東京演説会では、統一地方選・後半戦(5月の足立区議選を含む)の区市町村議候補第1次分計203人(現職150人、前・元職9人、新人44人)を発表しました。

 紹介された各候補者は「給食費無償化に」「子どもたちを戦場に送らない」などのプラカードや横断幕を掲げてアピールしました。

 現職を代表して、いわい桐子板橋区議候補が「不登校の子どもたちの声を議会で繰り返し取り上げ、区に聞き取り調査を実現させた。介護利用料が高いという高齢者の相談が相次ぐ今、9人当選でお金の心配ない介護を実現したい」と発言。

 前・元職の、かきうち信行・豊島区議候補は「前回落選後、コロナで苦しむ区民の声を議会で取り上げられず悔しい思いをした。区民の生活が大変なのに、区は国いいなりで446億円もため込んでいる。6人の区議団に戻し区民の声が通る区政を」と表明しました。

 新人の穴見れいな清瀬市議候補が「高齢者がコロナにかかっても入院できない姿を見て、私の娘も重度知的障害で発熱外来の受診を断られて感じた絶望と同じと思った。ミサイルを買うより安心して入院できるベッドを。声を出せない人の声を届けるため勝利したい」と力を込めました。

子育ての要求に取り組む党応援

参加者

 共産党の演説会に初めて来た八王子市の大学生の女性(23)は「軍事費に税金を使うより、くらしの課題に使うべきだ。子育て世代にとって医療費や給食費は大変な問題なので、長い時間をかけて共産党が取り組んでくれたのはありがたい」と話しました。

 荒川区の渋谷友子さん(68)は「給食無償化は荒川区でも共産党が繰り返し求め、私たちも署名に取り組んできた。自公は反対してきたのに、無償化が実現すると『自分たちが実現した』と言っているのはひどい。共産党の候補者を全員当選させたい」と話しました。

(しんぶん赤旗2023年2月12日付より)

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