多数の樹木を伐採することに批判の声が広がっている神宮外苑(東京都港区、新宿区)再開発について、ユネスコの諮問機関の日本イコモス国内委員会は20日、都庁で記者会見し、三井不動産など工事事業者が提出した環境影響評価書(環境アセスメント)に対し、日本イコモスが「虚偽」だと指摘した内容について25日までの回答を求め、工事の中止を要請しました。
日本イコモスは1月29日、事業者の評価書には多くの「虚偽」があると指摘し、都の環境アセス審議会は指摘を受けて、内容を再検討すると決定。日本イコモスは事業者との協議を求めましたが、拒否されたので、事業者に質問書の回答を要請するとともに、審議会に日本イコモスの同席を求めました。
東京都は17日、再開発の施行認可を出し、小池百合子知事は「法令にのっとって適切に行った」と回答。事業者は「建国記念文庫の森」で工事を開始しました。
会見で石川幹子委員は、「評価書で建国記念文庫の森は『一部改変』とあるが実際は61%の樹木が伐採・移植される。明らかな虚偽だ」と指摘。イチョウ並木も、現状を踏まえない虚偽の報告をしていると批判しました。
苅谷勇雄副委員長は「虚偽報告の精査が必要な状況で工事着工は不当であり、中止すべきだ」と語りました。
(しんぶん赤旗2023年2月21日付より)