子育て中の保護者や医療従事者らは22日、新宿駅前(東京都)で街頭宣伝を行い、「18歳までの医療費を無料にする制度を国に創設させよう」と呼びかけました。同制度創設を求める署名活動も取り組まれ、若者が応じる姿が多くありました。
主催は、「子ども医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」。自治体が実施する子どもの医療費助成制度は、対象年齢などで自治体間に差があるため、「全ての子どもたちにお金の心配なく、安心して医療が受けられるには、国の制度が必要だ」と訴えました。
緊張しながらマイクを握った高園薫さん(47)=神奈川県綾瀬市=は、同市の子ども医療制度が来年度中に中学3年から18歳まで拡充されるとし、「すごくうれしい」と述べました。一方、「高校3年の子どもは、アトピーやアレルギー性鼻炎があるので、受診料と薬代合わせて、これまで毎回5千円近くかかっていた。住んでいるところで、子どもの命の重さは違うのか」と訴えました。
署名した大学2年の荒川響さん(20)=さいたま市=は、「母子家庭だったので、経済的に余裕はなく、非正規で働く母に大変な思いをさせた。国は、社会保障にもっと税金を使うべきだ」と語りました。
宣伝中、ウサギの着ぐるみが通行人の注目を集め、新宿に遊びに来た学生男女5人組が署名するなどの姿がありました。参加者は「『医療費に地域差があるなんておかしい』といって署名した学生がいた」と話していました。
(しんぶん赤旗2023年2月23日付より)