『蟹工船』で知られる作家・小林多喜二の、没後90年の追悼祭が23日東京都中央区築地で開かれました。
1933年2月20日、築地警察署で拷問の末、29歳で殺された多喜二。参加者は、同警察署から、労農葬をおこなった築地小劇場を歩き、たたかいを振り返りました。
治安維持法国賠同盟の藤田廣登顧問は「反戦闘争の実践をした作家。特攻は拷問で右手人差し指を完全骨折させた。二度とペンを握らせないためだ」と話しました。
築地多喜二祭自公委員会の福田和夫代表は、政府の大軍拡にふれ「多喜二を現代によみがえらせることが軍国主義を復活させない力になる」と述べました。
小樽商科大学の萩野富士夫名誉教授が講演。「多喜二文学は日本のプロレタリア文学の代表作家として地位があった。中国、ドイツ、ソ連、アメリカなどでは当時から翻訳されていた」と述べました。中国の作家魯迅(ろじん)らが虐殺に抗議し遺族への募金を集めたことや、フランスの革命作家芸術家協会の機関紙に抗議文が載ったことが紹介されました。
(しんぶん赤旗2023年2月28日付より)