都議会は2月22、24の両日、本会議で一般質問を行い、日本共産党から原純子(江戸川区選出)、原田あきら(杉並区選出)両都議が立ちました。
原都議は都立・葛西臨海水族園(江戸川区)の建て替えを巡って、同園が立地する葛西臨海公園の多くの樹木が伐採・移植される問題を取り上げ、「伐採を避ける計画に作り直すべきだ」と迫りました。都内での樹木の大量伐採は、神宮外苑の再開発でも大問題になっています。
葛西臨海水族園は年間140万人が来園し、国内外の水族館との連携も活発でしたが、開園から30年が経過し、設備の老朽化により建て替え整備計画が進行しています。樹木伐採が問題になっている葛西臨海公園は、都と都民が力を合わせて自然環境を整え、今は多くの野鳥が飛来する貴重なエリアとなっています。
ところが建て替え計画で、淡水生物館の解体に伴い大量の樹木が伐採される可能性が高いことが判明。原都議は計画敷地にある樹木本数や実際の伐採・移植計画を明らかにするよう質問。中島高志技監は約1900本の樹木があるとし、伐採・移植本数については「現在事業者が行っている設計において明らかになる」としました。
同計画に対し、日本野鳥の会メンバーからは「公園の木は一本でも切ってほしくない」という声が上がり、日本建築家協会は1月12日に、「30年かけて育ててきた樹木の保存に関する不安がある」とし、工事を担うPFI事業者への指導や、樹木保存の考えを早期に示すよう都に要望しています。
原都議は「樹木の大量伐採は許されない」として、計画見直しと情報公開、都民不在のPFI事業の撤回を求めました。中島技監は「樹木への影響を極力減らすよう配慮する」「事業の進捗状況について適切に公表していく」と答弁しました。
羽田新ルート 中止を求める
原都議は騒音被害で住民を苦しめる羽田空港の新ルートについて、国に対して強く中止を迫るよう、小池知事に求めました。
同ルートを巡っては、20年3月29日から悪天候時の着陸便に加え、荒川新ルート離陸便が加わり、荒川沿い住宅地の真上を大型旅客機が飛行する回数が格段に増加。航空機の騒音で朝7時から起こされる日々が始まりました。21年度の江戸川区上空の飛行回数は339日、飛行回数は3万0141回にのぼりました。
原都議は「テレワークに集中できない」「心身ともにどうにかなりそう」という住民の声などを紹介。江戸川区以外でも住民の反対が広がっているとして、騒音以外にも落下物や墜落の危険を伴う羽田新飛行ルートは、離着陸便ともに直ちに中止すべきだと主張しました。
福田至都市整備局長は、「都民から騒音や落下物に対する不安等、様々な意見があることは承知している」「丁寧な情報提供と騒音・安全対策の実施等を(国に)求めていく」と答えただけでした。
原都議はまた、特別支援学校の教育条件整備についても質問し、大規模学校や教室不足の解消、新設校の設置、教職員の増配置などを求めました。