株譲渡益で富裕層優遇 参院財金委 小池氏質問で明らかに

 日本共産党の小池晃書記局長は16日の参院財政金融委員会で、上場株式の譲渡益への課税の国際比較を示し、世界でも突出した日本の富裕層への優遇の実態を追及しました。

 小池氏の質問に対して財務省は、所得が上場株式の譲渡益のみの夫婦子2人世帯で、日本、米国、ドイツ、フランスの所得1億円、10億円、100億円の税額を計算した結果を初めて明らかにしました(表)。小池氏は譲渡益10億円の税額で日本は約2億円なのに対し、「米国は約5億円(株式保有が1年以下)だ」と強調。米国は株式保有1年以下の譲渡益を短期的、投機的な売買で得た利益とみなしてより高く課税しています。

 小池氏は、岸田文雄首相も「これを日本でも導入し、短期売買のキャピタルゲイン(資本利益)の税率を20%から引き上げ」て、児童手当の拡充などにあてるとしていた(2021年10月の「岸田ビジョン」)と紹介し、高額所得者の税率には「少なくとも欧米並みの30%以上を適用すべきだ」と主張。鈴木俊一財務相は今回の法改定で所得30億円超の税率を上げるとして「一定の対応をしている」と述べました。

 小池氏は「30億円超の高額所得者はわずか200人で、しかも、施行は3年後だ。岸田首相の当初の提案からも大きく後退している」と強調。所得1億円を超えると所得税率が低下する「1億円の壁」は崩さない一方、少額投資非課税制度(NISA)の投資上限額を当初の500万円から1800万円に引き上げるのは「際限のない富裕層優遇に他ならない」と批判しました。

(しんぶん赤旗2023年3月17日付より)

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