小中校給食無償 5年で76→254自治体に
4月の統一地方選を前に、各地の自治体で、学校給食の実現や無償化、子ども医療費助成の拡充など住民の長年の願いが大きく前進しています。日本共産党は、これらの政策をいち早く提起。議会で粘り強い論戦に取り組むとともに、市民とともに「オール与党」の妨害をはねのけ、実現のために力を尽くしてきました。国保料の値上げなどに立ち向かう「悪政の防波堤」としても奮闘しています。
小中学校とも給食費を無償化している自治体が2017年度の76市町村から昨年12月時点で254自治体へと5年で3倍以上に広がっています。さらに、統一地方選を目前にして、東京都では、葛飾区、北区、品川区、荒川区、中央区、世田谷区、足立区(中学校のみ)がこの4月からの無償化を打ち出すなど、無償化の流れが加速しています。
72年も前に
日本共産党は、すでに72年も前に、政府から、「学校給食費」も含めて「憲法に定められている義務教育の無償をできるだけ早く広範囲に実現したい」との答弁を引き出しています(1951年3月19日の参院文部委員会で岩間正男議員が質問)。
市民の声や運動が広がり、各地の自治体で党地方議員団が給食費の無償化を提案すると、少なくない当局が、学校給食法では食材費等は「保護者の負担」と書いてあると法律をタテに無償化を拒んできました。この壁を崩したのが、18年12月6日の参院文教科学委員会での吉良よし子議員の質問です。自治体の判断による全額補助(無償化)に法律上何の問題もないことを文科省に確認したのです。その後、自治体側の答弁も、「必要性は理解するが財政負担が大変」という調子に変化しました。各自治体で、財源も示しての党の論戦や署名運動などが広がり、コロナ禍や物価高騰への対応も迫られるなか、給食費無償化の波が起こりました。
条例案提出
党荒川区議団は学校給食の無償化について12年の代表質問からはじまって3回にわたる条例案提出も含め、10年間毎年実現を求めてきました。
自民党は条例案に対し「自己負担が当然必要」(14年2月)などと主張し反対。公明党も22年9月議会で「決して区の単独で、パフォーマンスに思われるような決断で実行してしまうことはやめていただきたい」などと区に求めていました。しかし区民の運動と切実な声で完全無償化が実現しました。
共産党地方議員団 「悪政の防波堤」に
子ども医療費助成 国保料軽減求める
大田区では、党区議団が提案した条例案を否決してきた自公両党が、統一地方選の目前の2月になって「学校給食費の無償化に関する要望書」を区長に提出。ところが3月10日、自公は給食費を無料にするために共産党区議団が提出した一般会計の編成替えを求める動議に反対しました。同区の共産党後援会は、無償化を実現するため選挙でも奮闘しようと呼びかけています。
京都市では、来年度予算案に、多くの市民が願っていた全員制の中学校給食の実施に向けた調査費が計上されました。現在の中学校給食は希望者のみのお弁当方式で不評でした。市民が連絡会をつくるなど運動をすすめ、党市議団が議会で繰り返し実現を要求する中で今回ついに「重い扉」が開いたのです。
全員制給食を求める請願は昨年まで11年間で16回提出されましたが、共産党以外の全会派が採択を拒み続けてきました。自民党の議員など「毎度毎度同じような(請願の)繰り返しは、税金の無駄遣い」と語っていたほどです。日本共産党は「一日も早く小学校のような全員制の温かい給食の実現を」と奮闘しています。
躍進し拡充
子ども医療費助成でも自民・公明などの妨害をはねのけて実現させてきました。
東京では、子どもの医療費無料化を求める運動が1968年に始まり、政党としては日本共産党が初めて議会で提案しています。助成は中野区と清瀬市から他の自治体にも広がり、都議会でも都議団が87年から12回連続で質問し4回の条例提案を行いました。自民党は「断固反対」、公明党は「スタンドプレー」と妨害しました。しかし94年には都の制度として3歳未満の医療費助成が初めて実現。97年の都議選で共産党が26議席に大躍進し、都議会で条例提案を行うと、他党が慌てて同調し、2001年には、都の制度として小学校就学前まで制度が拡充されました。区市町村でも無料化が広がるなか09年には都の制度が中学校卒業まで前進。日本共産党は13年、17年、21年の都議選での3連勝の力で条例案を提案。ついに今年4月、23年度から都の制度として「高校卒業まで」を実現することができました。
神奈川でも昨年11月、県が子どもの医療費の市町村制度を支える県の助成制度の対象を現在の就学前までから小学校6年生まで引き上げる方針を示しました。
県民からの要望も強く、日本共産党県議団が繰り返し求め続けてきたものです。20年、21年と県議会に拡充を求める請願が出された際には、党県議団だけが紹介議員となり、「オール与党」が請願の採択に反対して不採決にしたこともありましたが、県民とともに政治を前に動かしました。
値上げ阻止
党地方議員団は、国の悪政から住民を守る「防波堤」の役割も果たしています。
政府は18年度から、国保財政の運営責任を都道府県に移す「都道府県化」を実施。多くの自治体が行ってきた一般会計からの繰り入れを国が廃止するよう要求したため、国保料(税)を引き上げる自治体が激増しています。
維新知事の下で国に先駆けて都道府県化を進めた大阪府では、17年からの5年間で府内の83・7%の自治体で国保料が値上げされました。
一方、日本共産党が、「地方議員第1党」の京都府では、府内6割強の自治体で据え置き・値下げを実現してます(いずれも年収400万円の4人世帯で計算)。京都市では党市議団が国保料軽減のために市独自の支援を増やせと求め続けて11年から21年まで値上げをストップさせてきました。
子どもが増えるたびに人頭税のように増える国保料の均等割についても、党地方議員団は各地で選挙のたびに減免を要求。昨年4月から国の制度として小学校就学前は半分になりました。日本共産党は、今回の統一地方選で、国保への公費負担の抜本的増額を改めて求めるとともに、国保料の引き下げ・減免、子どもの均等割の廃止を勝ち取ろうと奮闘しています。
(しんぶん赤旗2023月19日付より)