家庭などに居場所がなく、街をさまよい、性被害などに遭っている女性の支援事業(東京都委託)に取り組む民間団体Colabo(コラボ)に、卑劣な攻撃がかけられています。日本共産党都議団の論戦で事業の重要性が鮮明になり、都も「支援は重要。今後も支援する」と認めました。論戦を振り返ります。(東京都・山岸学)
お金で支配
14日の都議会厚生委員会で、共産党の白石たみお都議は街をさまよう若い女性を搾取しようとするおとなたちの実態を告発しました。
虐待などで少女たちは家庭や学校などに居場所がなく、SOSを出しても学校や行政などに適切に対応してもらえず、おとなへのあきらめを感じて夜の繁華街に行かざるを得なくなっています。そこに声をかけるのは性産業のスカウトや買春者など「お金で女性を買って支配しようとする人」ばかり。
白石都議
コラボにつながった17歳の少女は「体目当ての男の人しか自分に関心を持たなかったし、頼れるのはその人たちだけだった」と話す。実態を知っているか。
都福祉保健局の奈良部瑞枝少子社会対策部長
事業を委託する実施主体として十分承知している。
白石氏は、少女たちに必要なのは「困ったときに相談できる、信頼できるおとなとの関係性」だと強調しました。
コラボが少女たちへのアウトリーチ(積極的な働きかけ)として行っているのが、夜の繁華街にバスとテントを設置し、少女に安心できる居場所や無料の食事、日用品などを提供し、信頼関係をつくりながら支援につなげる「バスカフェ」という取り組みです。
白石氏は「少女たちの多くは自分から『助けて』と言えない。早期のアウトリーチが必要だ」と強調しました。
囲んで罵声
ネットなどでデマとコラボへのバッシングが広がり、バスカフェの現場で、メンバーを大勢の男性が取り囲んで罵声を浴びせる、バスをのぞき込んで撮影し、ネットに投稿して中傷する、利用者や関係者を特定するなどの常軌を逸した嫌がらせが行われています。
白石氏は、こうした妨害によって活動ができない重大事態になっていると告発しました。
白石都議
性的搾取につながる。少女たちの相談や居場所を奪う行為だ。卑劣な妨害を放置するわけにはいかない。支援事業の重要性をどう考えるか。
奈良部・部長
非常に重要な事業だ。
木村健治福祉保健局理事
大変重要な事業だ。
西山智之局長
支援は重要。今後とも困難を抱える若年女性を支援していく。
白石氏は「困難を抱える女性への攻撃となっている。根っこには女性差別と、性搾取や性産業を維持したい逆流がある。卑劣な攻撃には毅然(きぜん)と立ち向かうことが求められている」と訴えました。
((下)につづく)
(「しんぶん赤旗」2023年3月22日付より)