非審査・自由出品の全国公募展「第76回日本アンデパンダン展」(日本美術会主催)が23日、東京・六本木の国立新美術館で始まりました。4月3日まで。絵画、彫刻、インスタレーション(空間を使った造形表現)など524人の作品738点を展示しています。
ロシアのウクライナ侵略に対する抗議や核兵器使用への不安を訴える絵画、廃材を使って環境汚染を告発する立体作品など、政治や社会の問題を題材にした作品が目立ちます。
特別展示の「高校生が描き・伝える『原爆の絵』」では、被爆者の証言を聞いた高校生が描いた「原爆の絵」(複製画、広島平和記念資料館所蔵)と制作時の思いを紹介。悲惨な実態を伝える丁寧な描写に、多くの人が見入っていました。
同展実行委員長の芳賀猛夫さんは、「コロナ禍で減っていた出品数も、出してほしいという働きかけで大幅に増えました。参加者一人ひとりが、今の社会をどうとらえ、どの角度から切り取るのか、テーマや表現方法も多彩な展覧会です。力のこもった作品がそろっていると思います」と語っていました。
入場料=一般・大学生700円(65歳以上と高校生以下割引あり)。
(「しんぶん赤旗」2023年3月24日付より)