教育民営化への突破口
各地で小中学校のプールが廃止される中、東京都葛飾区で21日、プール廃止が子どもに与える影響を考えるつどいが開かれ、保護者や教育者、住民ら約80人が参加しました。講演した和光大学の山本由美教授は、教育的視点ではなく効率化目的で廃止計画が進められ、教育民営化の突破口にされていると批判しました。
同区は2021年に学校プールの段階的廃止を決定。22年度は12校が民間プールなどを利用し、23年度は20校程度に拡大する計画です。区の調査でも、学校とプールの往復の引率に7割の教員が「負担がある」と答えています。
山本氏は、国が自治体に押し付けている公共施設縮小計画の一番の標的が学校だと指摘。プールの授業には命を守る力を身に付けることをはじめ高い教育効果があり、その意義を問いただすことが重要だと語りました。
小学校6年生の保護者は、区のバラ色の説明と実態が大きく異なることを多くの保護者や地域の人は知らないと発言。「移動に時間がかかるため先生がピリピリし、子どもたちを朝から追い立てる。プール後のシャワーは1人20秒。私の子どもは発達障害があるので苦痛だといっていた」と語りました。
(「しんぶん赤旗」3月28日付より)