統一地方選を前に、若者など国民と政治家の距離を縮め、政治や社会の問題を一緒に考えようという“お祭り”が、3月25日と26日に世田谷区の下北沢駅近くで開かれました。北欧などで選挙前に登場する「選挙小屋」を参考に、政治家と来場者が対話できるブースのほか、音楽や料理を楽しみながら政治の課題に触れる企画が繰り広げられました。
下北沢でユースフェス
選挙小屋は、フィンランド、デンマーク、スウェーデンなどで、選挙の1カ月ほど前から、繁華街や駅前の広場に各政党の小屋が立ち、各党の政策を聞いたり、直接、政治家に質問できる取り組みです。
下北沢でのイベントは「民主主義ユースフェスティバル」で、同実行委員会が主催し、日本若者協議会が共催したほか、選挙小屋の「本場」の北欧3カ国の大使館も後援しました。
会場内には、日本共産党、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、社民党、れいわ新選組、日本維新の会など9政党がブースを並べました。25日の日本共産党のブースでは、地元の里吉ゆみ都議も加わり、来場者からアンケートを集めるなどしながら政策パンフを紹介したり、来場者と対話しました。
気候危機に取り組むフライデーズ・フォー・フーチャー東京などの若者団体や市民団体のブースも設置されたほか、キッチンカーで料理を楽しめるコーナーも。ステージでは、ジェンダー不平等の解消、北欧の民主主義、住民に開かれた行政など、さまざまなテーマをめぐって、多彩なゲストがトーク。開催両日の夜には、ミュージシャンによる音楽ライブが開かれました。
25日に開かれたトークイベントの一つは、「若者のアクティビストはどうしたらもっと増えるか」。気候危機などのアクティビスト(活動家)、eriさん(デプトカンパニー代表)と小野りりあんさん(モデル)が語り合いました。
りりあんさんは、自身が気候活動家として取り組み始めた理由を「世界の人たちが、気候変動に声をあげている。自分がアクティビストと名乗ることで、誰かに勇気を持ってもらえるのなら」と紹介。「まずは活動に取り組んでみてほしい。止めたいときや休みたいときは、そうすれば良いんだから」と語りました。
eriさんは、自身が取り組む投票への呼びかけや社会問題をアピールするパッチ(布)を配布する活動について、「社会に対して、声をあげるのが難しかったという人が、パッチをつけることで、自分を肯定でき、そこから周りの人と話し合うきっかけになったと喜んでくれることが多い」と紹介。りりあんさんは「日本では、自己否定を強いられる文化があって、活動に取り組んでいる若者も『自分は何もできていない』と思いがちになる。すごいことをやっているんだよと伝えることや、そこに大人も仲間として加わることが大切では」と発言しました。