エネ庁、規制庁に条文案 笠井議員が追及
原発の60年超の運転を可能にし、原発の活用を「国の責務」と明記するなど原発回帰に大転換する「GX脱炭素電源法案」をめぐって日本共産党の笠井亮議員は7日の衆院経済産業委員会で、運転期間延長の法案改定に向けて原子力規制庁と経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)が非公式の面談を重ねてきた問題を取り上げました。東京電力福島第1原発事故の教訓である「推進と規制の分離」を踏みにじる実態が明らかになりました。
笠井氏は「原発政策を大転換する重大な法案が、どういう議論をもとにつくられたか、出していない」と指摘。その上で、非公式の面談で原子力規制委員会所掌の原子炉等規制法(炉規法)の条文案などを規制委の事務局である規制庁にエネ庁が提示した資料を明らかにし、「(推進官庁が)規制委所掌に手を突っ込んでいる」と批判しました。
面談は昨年7月28日以降13回に及び、うち7回は水面下でした。
笠井氏が示したのは、エネ庁が作成し昨年8月19日に水面下で規制庁に面談した際に渡した資料。「改正の方向性」と題した図とともに、「原子炉等規制法の改正イメージ」と題した3項目の条文案、「電気事業法の改正イメージ」の条文案が記載されています。エネ庁側の資料が明らかにされたのは初めて。
審議されているGX脱炭素電源法案は、原発の運転期間を「原則40年、最大60年」とした炉規法の規定を削除し、電気事業法に移します。また規制委の審査で停止した期間などを除外して60年超の運転を可能にしています。今回の資料にも類似の内容があります。
笠井氏は「規制委の所掌の法改正のイメージを所掌外の経産省・エネ庁が作成し提示し、相手に渡している。越権行為だ」と批判。西村康稔経産相は「事務的な作業としては当然」と居直りました。
笠井氏は「本法案を提出するに至る経過にかかわる根本問題だ」と指摘。審議の大前提として、徹底調査と面談でのやりとりに関する記録の提出を強く求めました。
(「しんぶん赤旗」4月8日付より)