住民団体中間結果「横田基地も汚染源」
米軍横田基地周辺をはじめ東京都多摩地域の井戸水や水道水から、人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、同基地の東部にある国分寺市や立川市などの住民の血中から高い濃度のPFASが検出されたことが7日までに、分かりました。
住民でつくる「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」と、分析を行った原田浩二京都大学准教授がオンラインで記者会見し、多摩地域住民の血中濃度自主調査の中間結果を公表しました。
調査は昨年11月~今年1月に19市町村の273人から採血し実施。これによると、調査したほぼ全ての人からPFASを検出し、平均血中濃度はPFOSやPFOAなど4物質の合計で1ミリリットル当たり28.1ナノグラム(ナノは10億分の1)と、米国学術機関「科学アカデミーズ」が設定した健康リスクの指標値(7物質の合計で20ナノグラム)を上回りました。
10人以上を採血した9市町(計249人)について見ると、国分寺市(79人)45.7ナノグラム、立川市(41人)30.0ナノグラム、小平市(15人)24.0ナノグラム、あきる野市(18人)21.3ナノグラム、福生市(24人)18.0ナノグラム、青梅市(19人)16.8ナノグラム、羽村市(23人)16.7ナノグラム、小金井市(12人)16.6ナノグラム、瑞穂町(18人)14.0ナノグラムとなっていて、4市で米国の指標値を超える高い傾向を示しました。国分寺市ではほとんどの人が、立川市でも78%の人が米国の指標値を超えていました。
原田准教授は「住民への暴露源は主に水道水が考えられ、水道水に使っていた地下水が汚染されていることは都の調査で明らかになっている。軍の基地やメッキ・半導体などの工場があれば、PFASを使っていた可能性がある」と指摘。「横田基地が汚染源の一つであることは疑いない」と述べました。
同会では5月に約650人分の最終的な調査結果を公表する予定です。
(「しんぶん赤旗」4月8日付より)