伝統ある球場残そう 神宮外苑再開発問題で有識者らシンポ

東京の神宮外苑再開発に伴う神宮球場建て替えの問題点を語るシンポジウムが14日、都内で行われました。主催は経営コンサルタントで神宮外苑再開発に反対するオンライン署名発起人のロッシェル・カップさん。

カップさん、スポーツライターのロバート・ホワイティングさん、建築士の大橋智子さん、「神宮球場に想いを寄せる市民の会」共同代表の竹田保久さんが登壇しました。

カップさんは計画をもとに再開発後と現在の神宮外苑を比較する立体(3D)モデルを示し、球場と一体に作られる高さ約190メートルと約185メートルの商業ビルなどの影響で日陰が大幅に増えると指摘。野球のプレーに影響する可能性があり、イチョウ並木が枯れるおそれもあると示しました。

大橋さんは神宮外苑の歴史から、神宮球場は価値ある建築物だと主張。同球場は2016年に耐震補強工事が行われており、もっと長く使えると語りました。

竹田さんは「事業者が示すイメージイラストには、球場に不可欠なバックスクリーン、照明塔、ファウルグラウンドもない」と、野球の知識のない人がビジネスありきで計画しているのではと話しました。
長く神宮球場をみてきたホワイティングさんは「神宮外苑の緑は都会のオアシス。日本の甲子園球場、米国ボストンのフェンウェイ・パーク、シカゴのリグリー・フィールドのように100年以上続く伝統ある球場として残すべき」と話しました。

最後にカップさんは「再開発に反対していた坂本龍一さんが亡くなり、この問題はホットなトピックになっています。われわれがなすべきは忘れないこと。今以上に声をあげることを続けましょう」と呼びかけました。

(「しんぶん赤旗」4月16日付より)

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