共産党 自治体に申し入れ
異常な物価高騰と少子化が社会問題となる中、子育て支援の拡充が政治の重要課題として注目されています。統一地方選挙でも大きな焦点となっています。小中学校の学校給食費の無償化もその一つで、都内9区で新年度に実施され、実施方向で検討する区も続いています。その一方、財政問題がネックとなって二の足を踏む自治体は多摩地域を中心に多くあります。日本共産党の各議員団は、自治体間の格差を生まないよう国による無償化を求めるとともに、区市町村に対し3月末に政府が決めた臨時交付金も活用して、無償化や負担軽減に踏み出すよう提案しています。
政府は3月29日に、2022年度の予備費を使って、物価高騰対策として1兆2000億円の地方創生臨時交付金「電力・ガス・食料品等価格高騰重点地方交付金」を閣議決定しました。その内訳として、「低所得世帯枠」5000億円、「推奨事業メニュー枠」7000億円を設定しました。
この7000億円のうち、都道府県分となる3850億円(都195億円)を除いた区市町村枠3150億円の交付限度が設定され(都内自治体合計199億円=表参照)、各区市町村が物価高騰対策の実施計画(第1回)を5月29日までに申請し、交付を受けるとしています。
内閣府は「推奨事業メニュー」として「②エネルギー・食料品価格等の物価高騰に伴う子育て世帯支援」をあげ、「物価高騰による小中学校の保護者の負担を軽減するための小中学校等における学校給食費等の支援」と説明しています。
日本共産党都議団は4月7日、物価高騰が急速に進む中、この交付金を活用して▽都立特別支援学校や小中学校、夜間定時制高校の給食費無償化と大幅な負担軽減▽区市町村の給食費無償化の支援▽都内私立小中学校の給食・昼食費用の保護者負担軽減―を小池百合子知事、浜佳葉子都教育長宛てに申し入れました。潮田勉副知事は「申し入れは関係者で共有します。国の交付金の活用方法は検討中です」と答えました。
また文京区議団は11日に成澤廣修区長、加藤裕一区教育長に、臨時交付金を活用して区として無償化することや、都に補助を求めることを申し入れました。1回目の申請受付の締め切りが5月29日とされることから、活用を早急に具体化する必要があると強調しています。
民間信用調査会社(帝国データバンク)の調べでは4月に5106品目、5月に778品目、6月に2390品目が値上げになる見通しで、この先も物価上昇が見込まれています。一方、前年度行われた国の地方創生臨時交付金の活用による公立学校への1食3・5円の給食費補助は3月で終了しました。