参院外交防衛委 山添議員に答弁
米軍の軍人・軍属の日本国内での「公務中」の犯罪について、日米地位協定が米国に第1次裁判権を与えているために、過去9年間に日本で不起訴となった者は787人にのぼり、裁判にかけられた事件は1件もなかったことが判明しました。法務省が25日の参院外交防衛委員会で日本共産党の山添拓議員の質問に対し明らかにしました。
法務省の保坂和人審議官は、2014年以降、2022年6月までの裁判によらない処分を含めた米側の処分結果の内訳は、裁判が0件、非司法的処分や懲戒処分が668件、処分なしが4件だったと答弁しました。
山添氏は、米側が刑事裁判権を行使しなかった場合に「懲戒や行政処分が行われても刑事責任を問うべきケースはある」と指摘し、日本による裁判権の行使を米国に求めたことがあるかと質問。保坂氏は「第1次裁判権の放棄を要請した例はない」と答えました。
山添氏は、米軍が発行する「公務証明」に触れ、「米軍が公務中と言いさえすれば日本は裁判権を失うのではないか」と質問。保坂氏が「反証は可能だ」などと釈明しました。
山添氏は、日米合同委員会で反証するためには、10日以内の通知が必要などとした合意を挙げ、「米側に捜査をせかされているのは異常だ」と批判。「合意事項は破棄して日本側があらゆる証拠にもとづき総合的に判断できるよう改めるべき」だと主張しました。
(「しんぶん赤旗」4月27日付より)